手術室の高密度な運営を実現 戸田建設(株)(加藤久郎社長)は、手術の実施スケジュールをリアルタイム で編集し、院内に公開して高密度な手術スケールを管理する「手術進捗情報シ ステム」を開発し、今年1月に新築開院した東海大学医学部付属病院に実装し た。併せて、それぞれの手術室があらゆる術式に対応できる「コンバーティブ ルな手術室」を開発して同病院に設置し、システムと建築の相乗効果で手術室 の高効率な運営を実現した。 この「手術進捗情報システム」は、当日の手術予定及び手術の進捗状況、変更 状況をリアルタイムで公開するもの。これを活用することで、手術の進捗状況 が変化した場合や緊急手術が挿入された場合などに即座に手術スケジュールの 変更が可能となるため、あらかじめ確保していた余裕分を削り、密なスケジュ ールを組むことができる。また、予定よりも早く進捗した場合は、後続の手術 を繰り上げることにより、遅くまでかかりそうな手術の開始時刻を繰り上げる などの操作も容易にできる。スタッフも不必要な待機をしないで済むため、そ の時間を他の業務に充てたり、不要な時間外勤務を削減にも貢献する。
《手術進捗システムとコンバーティブルな手術室》 手術スケジュールは手術管理室や各手術室のほか、手術室廊下に設置したタッチパネル式のモニターにも表 示。縦軸が手術室番号、横軸が時刻で、各手術が開始時刻と終了時刻を示す帯となって表示され、この帯を指 で触れるとその手術の詳細情報が示される。同社では、あらゆる術式に対応できる「コンバーティブルな手術 室」の設計手法を確立し、東海大学医学部付属病院に適用。手術室の実大モックアップを作り、現実の手術室 と同じ環境を整備し、同病院の協力の下、延べ4日間にわたり実際の手術スタッフによる検証作業を行い、複 数の術式に対してベッド、術者、麻酔医、看護師、機器類などのレイアウトや動線等の確認を行った。それを 基に設計された「コンバーティブルな手術室」を、同病院に23ある手術室のうち19の手術室に採用した。 同社では今後、設計や施工という分野だけでなく、情報システムという切り口からも医療施設の最適化を図 り、それを設計、施工に反映させて患者や医療従事者、さらに医療機関にとっても最適な医療環境を提案して いく方針。
【写真上:手術廊下端末/下:手術進捗情報システムサーバー】