鉄筋コンクリート(RC造)建物の「飛島式省エネ床下ピット」を考案 実施工物件にて冷暖房省エネ効果を実証・設計手法確立
飛島建設(株)(社長:池原年昭)は、RC造の一般建物で未活用の床下ピット を省エネルギーの一手段として簡易に有効利用する「飛島式省エネ床下ピッ ト」を考案し実用化。 平成17年度に竣工した当社設計・施工の「財団法人日本自動車研究所移転用地 管理宿泊棟新築工事」に飛島式省エネ床下ピットを適用し、同年の夏季・冬季 に効果の実測とその結果を評価することにより、省エネのための設計手法を確 立。 画像上:飛島式省エネ床下ピット 仕組図 下:飛島式省エネ床下ピット エアーフロー図 (夏期)
○省エネ効果について(コスト対効果) 実測にした建物は、RC造、2階建、床面積4,361m2で、設計上での建物内必要外気量は全体で約9,700m3/hで すが、全体の1/3で管理部門に必要な3,020m3/hの外気を取り入れて実測。 夏期の外気負荷実測(05/8/25-9/12) 最大42.5%、最小15.0%、平均33.2%削減 冬期の外気負荷実測(06/2/23-3/3) 最大57.5%、最小36.2%、平均45.7%削減 これは、温度と湿度から導き出される空気が持っているエネルギー(エンタルピー)を削減した比率を表し たものですが、簡単に言い換えれば、外気取入口の温湿度と室内取入れ口の温湿度の差を数量化したもの。 この実測結果から年間省エネルギー量とCO2削減量に換算すると、9,600KW/年及び14ton/年。これは1年間 で、夏季3ヶ月間、冬季3ヶ月間運用する前提で算出しており、省エネルギー量の9,600KW/年は100本の40W 蛍光灯を1年間点ける電気量に相当。(詳細後述)
○設計と運用 設計段階で蓄熱体の配置と外気の取り入れ方について最適化を図り性能評価を行いますが、運用では建物の 立地、規模、用途等により、外気の温湿度および床下ピット内の温湿度等のファクターに基づき、床下ピット へ外気を取り入れる有効利用時間をコントロールする必要があります。 当該建物では、夏季(7〜9月)、冬季(12月中旬〜3月中旬)を有効利用時間としました。
○今後の課題 更なる性能向上を図るため、以下の課題に取り組みます。 1) 設計精度向上 長期的な実測・評価、立地条件の異なる建物での実測・評価により設計手法の精度向上 2) 蓄熱体の改良改善 構造体以外の蓄熱体として安価な材料(ジャカゴ等)の設置、安価で有効な蓄熱体の開発 3) 蓄熱体の効果的な蓄熱システムの考案 有効利用時間以外の時間帯を利用した蓄熱システムの考案(Ex:夜間に外気を取り入れ冷気を蓄熱)
【参考】省エネ効果及びCO2削減についての考察 建物内全体外気量の1/3の3,020m3/hで実測をした結果と、外気取り入れ量を最大にした場合に得られる理 論値を紹介します。 床下ピット稼動 なし
最大値の1/3 最大値(理論値) 床下ピット外気量 0m3/h
3,020m3/h
9,700m3/h 外気処理必要熱量
79,500KW/年
69,900KW/年
48,350KW/年 省エネルギー量 9,600KW/年
31,150KW/年 省エネ量40W蛍光灯換算
約100本年 約320本年 発電機灯油換算(発電効率1.72KW/L) 5,580L 18,110L CO2削減量換算
14Ton/年 46Ton/年 ※CO2排出量の値:平成4年地球温暖化防止ハンドブックに準拠 今回の実測結果より、飛島式床下ピットの省エネ効果(上表二重枠の値)について確認できました。また、 建物全体で必要な外気量(上表右欄:最大値)を処理することも十分可能であることも予測できています。こ の場合の最大値をより確実にし、省エネ効果をより大きくするため、長期間の実測による設計手法精度の向 上・構造体以外の安価で効果的な畜熱材の開発が必要と考えています。
【本件に関するお問合せ先】 建築本部 設備部 千葉 伸二 後藤 隆明 TEL.03-5214-7099 ホームページ http://www.tobishima.co.jp/ 経営本部 広報部 小島 秀二郎 TEL.03-5214-8212