◇◇◆超高層建物の作業所に第一号◆◇◇ 戸田建設(株)(加藤久郎社長)はこのほど、8月1日の気象庁による緊急地 震速報システムの本格導入に先立って、地震発生後に推定された震度と到達時 間を気象庁から受信し、実際に地震が到達する前に警報を発するシステムを東 京都千代田区の東京駅前に建設中の超高層建物の作業所に導入し、運用を始め た。 このシステムは、気象庁の地震観測網で検知した初期微動(P波)から、警報 装置設置場所での震度と到達時間を瞬時に予測し、その場所に主要動(S波) が到達する数秒から数十秒前に警報を発することができる。 今回作業所に導入したシステムは、気象庁(気象業務支援センター)から配信 される地震情報(震源位置、規模、発生時間)を戸田建設技術研究所(茨城県 つくば市)で受信し、一括管理のもと、社内LANを利用して時間遅れを生じ させることなく作業所に配信するために開発されたもの。
【写真上】緊急自身システムの概念図
【写真下】現場事務所の受信システム
同作業所での運営にあたっては、回転灯・スピーカー・サイレンを場内の各所に配置して、気象庁から発信さ れた地震速報に基づいて算定した震度が一定震度(同作業所では震度四)以上になると予想される場合に警報 を発信するように設定した。スピーカーでは予想震度及び予想到達時間が発信される。 また、場内の一般の作業者や高所作業者、地下作業者、危険物・火気を取り扱っている作業者及びタワークレ ーン、エレベータそれぞれの警報発生時の安全行動を定めたマニュアルを作成し、社員及び協力会社の安全を 確保している。このマニュアルに基づいて、システムの日常点検を行うとともに、避難訓練も充実しつつあ る。 同システムは、引き続いて免震レトロフィットの地下工事の作業所に適用し、工事自体の安全だけでなく、居 ながら施工を行っている上部の建物の安全確保にも役立てる計画を進めるとともに、さらに拡張して数百にの ぼる全国の作業所及び本支店、工作所、営業所に対し、地震情報の集中管理、処理及び一括配信を行うシステ ムの開発も行っている。 同社では、この緊急地震速報システムをさらに高度化し、営業ツールとしての展開も進めていく予定。具体的 には、同システムを事業計画マネジメントのための建物耐震ソリューションシステムの一環として位置づけ、 より高度なリスク評価を行った上で、生産施設や病院、教育施設等の事業継続計画(BCP)立案にあたっ て、有効な手段の1つとして提案していく予定。 同システムの導入により、同社が設計・施工する建物は付加価値として、地震に対して?集合住宅や事務所で はエレベータを緊急停止させ、閉じ込めを防止できる?生産工場や発電施設などでは重要機器、生産ラインを 停止させ、安全を確保するとともに、機器の損傷を低減できる?病院では手術や治療行為の安全性の確保とと もに、患者の早期避難が可能になるーなど人命の保護、施設の機能維持に繋がる効果が期待できる。