鉄道高架橋への適用性能を確認 清水建設(株)(野村哲也社長)はこのほど、第一高周波工業(株)(梶尾諄 社長)と共同で、両社が開発した機械式定着鉄筋「Tヘッドバー」に関し、適 用に必要な性能確認を完了した。これにより、鉄道高架橋の分野で、Tヘッド バーに適用しやすくなった。 これまで「Tヘッドバー」は、道路カルバートやLNGタンクなどを中心に、 様々な分野の土木構造物で順調に適用実績を上げてきた。配筋の高密度化が近 年著しい鉄道高架橋の分野でも、適用されれば大きな効果が期待できるが、今 のところはほとんど適用されていない。鉄道高架橋は列車の通過による繰り返 し荷重が働くため、適用するにはこれに対する安全性「疲労性能」の確認が必 要となっている。 ※写真上=Tヘッドバー適用例 ※写真下=従来の鉄筋の使用
両社は今回、鉄道高架橋への「Tヘッドバー」の適用を図るため、大型試験体を用いた疲労性能に関する各種 試験を約2年間にわたって実施。 その結果、「Tヘッドバー」が従来の鉄筋と同等の疲労性能を持つことを確認し、鉄道高架橋への適用性を高 めることができた。大型試験体を用いて機械式定着鉄筋の疲労性能を確認したのは、国内ではこれが初めてと なっている。 両社では今後、「Tヘッドバー」のさらなる普及に向けて販売活動の強化を図るとともに、鉄道構造物への展 開をより加速するため、専門機関による技術審査証明を取得することも計画中。 この「Tヘッドバー」は1999年から販売を開始。2003年末には財土木研究センターから技術審査証明を取得 し、その後は道路カルバートやLNGタンクなどの土木構造物を中心に販売実績が急伸。販売数は2004、05年 度ともに前年比で倍増し、2006年7月末には累計納入実績400万本、適用現場数約250件に達した。今後の販売 目標は今年度200万本、6億円、3年後は400万本、10億円を見込んでいる。 RCの土木構造物は阪神大震災以降、耐震性能の向上のために鉄筋量が増加しており、そのためコンクリート の充填性の確保や、鉄筋組立作業の効率化などが課題となっている。この課題を解決するため、1998年に両社 が開発したのが「Tヘッドバー」。「Tヘッドバー」は、鉄筋端部を高周波誘導加熱して、鉄筋径の2.5倍に 拡大成形したもので、釘頭のようにT字形をした端部を差し込むだけでコンクリート内部に簡単に定着でき る。このため、U字形やL字形に曲げ加工する通常の鉄筋に比べて、鉄筋組立作業の効率が20から30%上がる ほか、高密度配筋の緩和に役立つことができる。