ひび割れの幅と座標軸を離れた所からでも正確に 関西工事測量(株)(本社・大阪府箕面市、中庭和秀社長)はこのほど、離れた所から でも建造物などに入ったひび割れの幅と位置座標が正確に測れる、世界で初めての計測 システム「KUMONOS(クモノス)」を開発し、全国の契約測量機器販売会社での 発売とレンタル会社によるレンタルを開始した。 現在、ひび割れ測定はクラックスケールと呼ばれる定規のような道具を使って幅を測定 し、その形状を鉛筆で紙にスケッチする方法で行われている。しかしこの方法では、ひ び割れが外壁の高い所にある場合、高所作業車や仮設足場を使用するため手間がかか り、危険も伴う。しかも、最終的に手書きで紙に落とし込むことになるため、その形状 や位置座標についての正確な測定結果は得られない。
※写真:「KUMONOS」 また、分析のためにコンピュータ上で二次元データに変換する必要があるが、その際、再度CADでのトレー スといった手作業が加わり、さらに誤差が大きくなる。正確なデータが取得できなければ、ひび割れの経年変 化を比較するという、耐久性を判断する上で最も重要な分析もできない。 こうした問題を解決したのが、今回開発したノンプリズムトータルステーションにクラックスケールを組み合 わせた計測システム「KUMONOS」。世界で初めて、離れた所からでもひび割れの幅と位置座標を正確に 測ることを可能にしたもので、今後の建造物の耐震性調査を大きく変えるものと考えられる。同システムの最 大観測距離は350m、最小観測幅は0.077?/10mとなっている。 耐震性調査が必要なビルは全国に数え切れないほどあり、さらに、長さ15m以上の橋梁については13万カ所以 上、国交省が管理する道路トンネルの数も8,500か所以上と、同システムの市場は大きな可能性を有してい る。 このほか ?高精度な位置座標を持つ計測データが取得できる ?計測データからCADデータへの処理が迅速、シームレスにできる ?コンパクトなシステムだけで計測でき、大がかりな準備が不要 ?外壁調査でも足場や高所作業車を使う必要がなく、安全に調査できる ―などの特徴がある。 さらに、同システムを二台以上用いて計測し、データ化の段階で合成することもできるため、調査期間のさら なる短縮が可能になる。 同システムのオープン価格は実売予測約350万円で、同社では初年度200台の販売を予定しており、レンタルを 含めて9億から10億円の売上を見込んでいる。