階段状に尖塔型タワーを構築 戸田建設(株)(加藤久郎社長)と日本ヒューム(株)(高尾重道社長)の両 社はこのほど、プレキャストコンクリート部材を用いた塔状構造物の汎用的構 築技術として共同開発した「STEPSタワー工法」(Sharp&Tall ElevatePcーblockS)の強度性能確認試験を実施した。 同工法は、コンクリート製風力発電タワーにおける従来の課題を解決するた め、高強度コンクリート製プレキャストブロックを使用してタワー重量の軽量 化を図り、これをPC鋼棒で緊張しながら積み重ねて完成させる構築法。プレ キャストブロツクによる大口径基礎工法では、通常同一断面で構造体を構築す るが、塔状構造物の場合には上空にいくに従って構造上必要となる断面は小さ くても構わない。 ※写真上:試験状況 ※写真下:調整リング定着部、基部開口部(右)
同工法の大きな特徴は、大きさの異なるプレキャストブロック同士を一体化できる調整ブロックを新たに考案 し、階段状に尖塔型タワーを構築する構造を実現したこと。この調整ブロックは、上下に接するそれぞれのプ レキャストブロックを独立してPC鋼棒で固定することにより一体化を図る。プレキャストブロック工法にお けるこのような可変断面の構築法を提供することにより、プレキャスト化による工期短縮効果を確保しなが ら、構築コスト縮減にもめどを付けた。 高さ60m級の風力発電タワー10基を施工する場合、場所打ちコンクリートの場合と比較して工期を約4分の 1、コストを約30%縮減できる。また、鋼製タワーと比較しても同程度の工期で施工でき、コストは約15%縮 減できるため、鋼材費高騰によるコスト増を回避する工法としても有効といえる。 今回実施した実証実験は、構造成立性の核となる調整リングの強度性能確認を目的としたもので、実物大の約 4.35分の1の供試体を製作し、調整リングを含めた6リングをPC鋼棒で緊結したものを試験体とした。 タワー重量に相当する一定の鉛直力を作用させた状態で、風荷重や地震時慣性力に相当する水平力を正負交互 に繰り返し載荷して試験を行った結果、所期の強度性能を発揮することを実証。さらに、新たに考案したタワ ー基部に設けられる点検のための開口部の構造形式についても同様の試験を行い、その妥当性を検証した。 戸田建設と日本ヒュームの両社は今後、今回の強度性能確認試験で得られたデータに基づいて技術整備を図る とともに、工期短縮やコスト低減を図れる工法として、実用化に向けて同工法を積極的に提案し、風力発電事 業だけでなく各種塔状構造物の構築を支援していく考え。