高い制震・居住性能を確保 戸田建設(株)(加藤久郎社長)は現在、東京都千代田区で地上37階建て、高 さ178mの超高層ビル「丸の内トラストタワー本館」(建築主・森トラスト (株))の建設を進めているが、同工事では建物の構造に「ハイブリッド制震 構造」を採用し、制震装置として「ハイブリッドマスダンパー(HMD)」を 屋上に設置することで、顧客ニーズに応える「一ランク上の耐震性能・居住性 能」を確保している。 ※図:丸の内トラストタワー本館完成予想
同建物の建設地は、JR東京駅八重洲口北側で、第?期棟の「丸の内トラストタワーN館」(2003年竣工)に 隣接。建設中の本館は?期棟にあたり、事務所とホテル(シャングリ・ラ)の複合施設となる。建築の設計監 理は同社と(株)安井建築設計事務所が担当し、2008年11月の竣工予定となっている。 今回採用した「ハイブリッド制震構造」は、台風から大地震までさまざまな原因によって生じる揺れを吸収す る「粘性ダンパー」と、大地震に対して揺れを吸収する「履歴ダンパー」を組み合わせたもので、幅広い揺れ に対して高い制震効果を得ることができる。特に「粘性ダンパー」は、新しいタイプを採用。従来は大きさが 約3m×3m程度の壁形状だったが、新型は抵抗板を1?間隔で20枚程度重ねることで、高さ0.5m×幅1.5m の間柱形状へと小型化し、大きな減衰力(2,000KN)を発揮する。この結果、ダンパーを設置するエレベー タシャフト周りを含めて省スペース化を実現した。 また「ハイブリッドマスダンパー」は、屋上に2基設置し、アクティブ・パッシブの切替で、強風時の風揺れ を約50%低減することができる。31階より上階にあるホテル客室で、強風時に揺れを感じない優れた居住性能 を確保する。 今回の「ハイブリッド制震構造」を採用したことにより、大地震時(レベル2地震)でも、柱・梁部材は弾性 状態であり、建物の最大層間変形角は150分の1以下になる。一般の超高層ビルが100分の1以下を目標として いることに比較して、3分の2へと小さくしている。 そのほか、直接基礎と杭基礎を併用した「パイルド・ラフト基礎」や、鋼管コンクリート柱(CFT柱)の中 に鉄筋を設けることで高軸力に対応する「戸田式鋼管コンクリート柱(TO−SCFT)」の採用など新技術 の展開を図っている。 同社では、今回採用した「ハイブリッド制震構造」をはじめとする技術を、中高層ビルから超高層ビルまで幅 広い建物に対して積極的に展開していく計画。