関西大学の先端建設技術実用化研究会のメンバー 画期的なプレストレスデッキ(1.0m×4.0m) 関西大学が産学連携の大きな推進母体として、今年5月に立ち上げた先端建設 技術実用化研究会のメンバーである大商鋼材(株)(藤本拓司代表取締役)と 太洋建設(株)(小林康志代表取締役)の2社は、近畿地方整備局が11月30日 から12月2日までの3日間、大阪市住之江区のインテックス大阪で開催した 「建設技術点2006近畿」に鋼板プレストレス強化工法により長スパン化した画 期的な覆工板「プレストレスデッキ」(1.0m×4.0m)を出展、関係者の大き な注目を集めた。 ※写真上:長スパン化の「プレストレスデッキ」の出展 ※写真下:実物大と展示品 産学連携で実用化に成功
鋼板プレストレス強化工法は、同研究会に関西大学のメンバーとして参加している坂野昌弘・工学部都市環境 工学科教授が考案したもの。同研究会の活動の中で、坂野教授の指導を得て共同研究を進め、実験と検討を繰 り返し長さ4.0mという長スパン化の実用化に成功した。覆工板が開発されてから40年以上もの間、応力限界 により長さ3.0mまでとされていた業界の常識を覆している。 建設技術展2006近畿では、屋外展示場で実物大のプレストレスデッキ2基を出展したほか、詳しく解説したパ ネルを展示するなど、充実した展示内容で来場者の目をひいた。また、同研究会メンバーで建設コンサルタン トの(株)技建管理・井上靖弘代表取締役も見学者の質問に対して丁寧に対応していた。 具体的に鋼板プレストレス強化工法とは、強化鋼板片側をボルトで固定し、強化鋼板をバーナーで加熱誇張さ せると、その後に冷却収縮し圧縮力が発現する性質を利用し、H形鋼にプレストレスをかけるというもの。プ レストレスによる死荷重応力の低減効果に加え、強化鋼板の断面剛性増による活荷重応力の低減効果が期待で きるという。 主な特徴は ?十分な強度を有し、しかも軽い ?溶接を用いない一般的な高力ボルト接合のため疲労耐久性が高く、補強板定着部の構造も極めてシンプル ?従来品と同じ高さ200?、幅1.0mのため、従来品との互換性が高い ?開口部が広がることで、これまで以上の作業空間が確保できる ?掘削機械のオペレーターからの視角が広くなり、安全性が向上 ?桁材が減少し、工事全体の鋼重を削減できコスト縮減が可能 ?1枚当たりの面積が広がり、建設作業のスピードアップが図られる ――というもの。
この「鋼板プレストレス強化工法」は特許を取得ずみ。また、世界的に権威があるアメリカの土木学会が発行 する機関誌(今年10・11月号)にも同工法の論文が掲載された。プレストレスデッキ(1.0m×4.0m)は特許 出願中。