清水建設(株)(野村哲也社長)はこのほど、複合型深層混合処理機を使って、軟弱地 盤を改良する3軸式複合型深層混合処理工法「HySJET(ハイエスジェット)工 法」を開発・実用化した。 同工法は、大径3軸式の機械攪拌と高圧噴射攪拌の組み合わせによって、従来工法に比 べて処理能力を50%高めており、工期30%及びコスト20%の縮減が可能。 複合攪拌工法は一般に、機械攪拌が改良体中央部を、そして高圧噴射攪拌が改良体外周 部を構築する工法。深層混合処理機が直接接触しない範囲を地盤改良できるため、既存 の山留め壁と接合する場所の地盤改良や、改良体同士を密着させて改良率を高くする地 盤改良などに有効とされている。同工法では従来、単軸または二軸式の深層混合処理機 が使われていた。
※図:HySJET工法イメージ 今回開発した「HySJET工法」は、大径三軸式機械攪拌と高圧噴射攪拌、その両方を一台で処理可能な複 合型深層混合処理を使う点が最大の特徴となっている。 同工法で使用する複合型深層混合処理機は、攪拌翼の直径を1,200?に大径化した回転軸を三軸一列に搭載。 この回転軸の先端部には、セメントスラリーを噴射するためのノズルが装着されており、外側2軸のノズルは 30MPaの高圧ジェット噴射を、また中軸のノズルは数MPaの低圧噴射を行う役目を担っている。 同工法の施工はまず、回転軸を3軸同時に、軟弱地盤に所定深度まで貫入させていく。この貫入過程は、改良 体中央部を「もみほぐす」もの。次に、セメントスラリーを回転軸の各ノズルから噴射しながら、改良部域の 上部まで回転軸を引き上げていく。この引き上げ過程は、改良体中心部で固化を、また改良体外周部で攪拌と 固化を行うものとなる。 このプロセスで構築される改良体は、双眼鏡に似た形状となり、これを繰り返すことで改良地盤を造成してい く。 今回の開発にあたっては、処理能力をより高めるため、複合型深層混合処理機の回転軸に攪拌翼を多段階に配 置。これによって貫入工程時、改良地盤を効果的に「もみほぐす」ことが可能となり、その結果、次工程の回 転軸の引き上げ作業を25%短縮できるようになった。 同工法の特徴・メリットは ?工期・コストを低減 ?地盤改良率が高い密着施工に、より有効 ?周辺地盤変位を効果的に抑制 ――など。
同社では今後、各種構造物の基礎地盤の改良などに同工法を積極的に活用していく考え。