安全作業でリスクも低減 住友電設(株)(菅沼敬行社長)はこのほど、地上デジタル放送用送信アンテナ工事 で、元請会社のブロードワイヤレス(株)と共同開発した無停波「スリーブアップ工 法」の実用化に成功した。 従来は、夜間放送休止中に既設のアナログ放送用アンテナを大型クレーンを使って一時 的に地上に取り降ろし、新たなデジタル放送用アンテナを設置後、アナログ放送用アン テナを元に戻す工法が採用されていた。しかし、この工法では放送の休止が不可避であ り、放送休止時間を利用するために短時間で作業しなければいけない。また、既設のア ンテナを再度設置する際には、工事前と同様の電波状態に戻さなければならないという リスクもあった。
今回開発した「スリーブアップ工法」は、これらのデメリットやリスクを回避するもので、昼間でしかも無停 波作業が可能となり、安全性及び品質面が従来工法に比べ飛躍的に改善された。 具体的に、まず既設のアンテナ取り付け柱に、下からスリーブ柱を継ぎ足して延伸する。次に、その周りの鉄 塔部材を取り外し、デジタル放送用アンテナのスペースを確保して取り付ける。放送休止も大型クレーンの使 用も不要となる。 今回、関西民法局の海南テレビ中継局(和歌山県海南市)で同工法が採用され、大幅なリスクの低減ととも に、安全に工事を進められることが確認された。 テレビ放送の地上デジタル化工事は、2003年度から親局(基地局)から順次着手し、今年度からは大規模中継 局建設(約500局)を開始し、引き続き、中規模中継局(約1,500局)の建設が2011年度までの完成予定で進め られている。今後、デジタル化を行う中小規模のテレビ中継局のアンテナ工事が数多く計画されており、同工 法へのニーズが期待されている。 同工法は現在、ブロードワイヤレス?と共同で特許出願中。住友電設では今後、同工法について他社との差別 化を図り、受注の確保に努めたいとしている。 ※写真=鉄塔の解体作業のようす