(株)鴻池組(玉井啓悦社長)はこのほど、新設トンネル建設時の覆工コンク リートを一定期間、湿潤養生しその強度増進を図るための品質・耐久性の向上 が得られる新しいコンクリート養生方法「温度制御噴霧式覆工コンクリート湿 潤養生工法(K―tics)」を開発した。
トンネルを含むコンクリート構造物の維持管理費用削減や長寿命化が求められ、コンクリートの高品質化、高 耐久性化も課題となっている近年では、既設のトンネルはもとより、新設トンネルの覆工トンネルに対しても ひび割れや、充填不足による空洞発生などの施工不良が重大な事故を引き起こす懸念があり、工事完了時には 調査確認や補修が必要となっている。 トンネル新設時のコンクリートについてはこれまで、坑内の温度が一定で高湿度状態などのトンネル坑内環境 の特殊性から、特別な養生は不要とされ、コンクリート打設後24時間以内での早期型枠脱枠が一般的に施工さ れてきたが、大容量の換気設備導入や早期貫通などにより、覆工コンクリート養生状態が通風による急激な温 度変化や乾燥で悪化している。 このような状況を改善するため、覆工面の密閉養生方法や、乾燥収縮低減剤などの膜養生材表面への撒布・塗 布といった工法が実用化されているが、いずれもコンクリート表面からの水分の蒸散を防ぎ乾燥収縮の低減を 目的としたもので、水和作用を積極的に促進するものではない。 同社が今回開発した同工法は、型枠脱枠後に移動式の養生台車を据え付け、コンクリートを一定期間、湿潤状 態に養生できる工法で、養生台車には遮水シートと端部締め切り用の空気充填幕が取り付けられ、コンクリー トとの間に30から60?程度の密閉された養生空間を確保できる。養生空間に粒形45から60μm程度の微粒の霧 を発生させることで、湿度90から100%湿潤状態を作り出すほか、温度感知センサーによって養生温度を制御 し最適な養生状態を保持する大きな特長を持つ。 また、トンネルの覆工セントルの後方に3スパン相当の養生台車を後続させ、型枠脱枠後、速やかに湿潤養生 を開始することが可能で、噴射水の加温制御システムでコンクリートへの急激な温度変化などの影響を与える ことなく連続的な水和反応が持続でき、覆工コンクリート打設条件の違いによって3スパンの養生空間をスパ ンごとに温度制御することもできる。 同工法の適用により、 ▽噴霧による湿潤養生でコンクリート水和反応が促進され、強度が増進される ▽十分な水和反応の持続によるコンクリート表面の細部構造の緻密化 ▽乾燥収縮によるひび割れが大幅に低減 ▽これらの総合的成果として、長期耐久性の向上、ライフサイクルコスト低減、長寿延命化 ―――などの効果が得られるとし、同社では同工法の普及と受注に向け、全国的に営業展開を進める方針。 鴻池組 http://www.konoike.co.jp/