◇◇◆大型土槽を使用した検証実験でも効果を確認◆◇◇ 戸田建設(株)と(株)構造計画研究所、五洋建設(株)、鉄建建設(株)、東急建設(株)、飛島建設 (株)の六社はこのほど、パイルド・ラフト基礎に関する実用的な設計プログラム(解析コード hyーPR 「ハイパー」)を共同開発した。さらに、大型土槽を使用した検証実験によって、パイルド・ラフト基礎によ る相互作用効果や沈下低減効果を確認。その結果、これらを用いて、より実用的なパイルド・ラフト基礎の設 計を行うことが可能となった。 開発にあたっては、室蘭工業大学建設システム工学科の土屋勉教授に全般にわたって指導を得た。また、検証 実験は独立行政法人建築研究所との共同研究の一環として、同研究所の基礎・地盤実験棟の実験施設で行っ た。 パイルド・ラフト基礎は、直接基礎(ラフト=基礎スラブ)と杭基礎(パイル)を併用して建物を支持する新 しい基礎工法であり、一般的に支持力はラフトで確保し、杭は沈下低減の目的で使用する。直接基礎と比較し て、全沈下量や不同沈下量を低減できるほか、支持杭基礎に比べて杭の負担荷重が小さいため、必要な性能を 確保した上で杭の仕様(杭径、杭長、杭本数など)を合理化でき、基礎工事費の削減が可能なことなどから、 急速に実績を増やしている。 今回開発した設計プログラムの特徴は ?解析手法は弾性理論と有限要素法による解析を組み合わせたハイブリッド(混合)法を採用。これにより、 精度の高い解析を短時間で得られる ?表形式の入力により、一般の建築構造設計者でも入力データが容易に作成可能 ?直線で囲まれた任意の平面形状の解析が可能であり、複雑な形状の建物にも対応できる ?建物重量による常時の沈下量、部材応力の解析に加え、地震によって加わる水平力による変形、応力を同時 に解析することが可能 ?地盤及び構造物の非線形性、あるいは地層構成の傾斜を考慮した、より実際の挙動に近い解析ができる ――など。 一方、大型土槽を用いた検証実験では、砂質土地盤と粘性土地盤の2つのタイプについて検証し、パイルド・ ラフト基礎の沈下低減効果を確認。さらに、圧密地盤での直接基礎との比較実験など、種々の条件での有用性 を検証した。 6社では2004年度から3年間にわたって共同開発を実施してきたが、今後は「hyーPR研究会」を設立し、 引き続いて設計プログラムのメンテナンスのほか、パフォーマンスの向上をめざして総合的な検討を進め、軟 弱地盤地域に建設される中低層建物はもちろん、超高層建築物にも有効な基礎工法として、パイルド・ラフト 基礎を提案していく予定。