◇◇◆ 「バイオニュートラル工法」を積極的に活用へ ◆◇◇ 清水建設?(宮本洋一社長)と日清製粉?(中村隆司社長)は、共同開発した 「バイオニュートラル工法」を今後、清水建設が施工するダム・トンネル現場 で大量に発生する建設汚泥の再生に積極的に活用していく。
同工法は、建設現場で発生するセメント混じりの汚泥を微生物の働きで中性化 し、埋め戻し土として再利用するもの。 両社は今回、同工法を発展させ、汚泥の中性化から一歩進めて緑化土壌への再 生技術を確立。 これを機に、総合評価方式の工事案件などへの適用を発注者らに積極的に提案 していく考え。
一般的に、セメント混じりの建設汚泥はアルカリ性が高く、産業廃棄物として 場外の管理型処理施設で処分されるため多大な処理コスト、環境負荷がかかっ ていた。
〜〜〜 微生物の働きでセメント混じりの建設汚泥を再生 〜〜〜 「バイオニュートラル工法」は、建設汚泥に含まれる微生物による発酵作用を利用。同工法用に開発した発酵 促進剤(商品名=ニュートラルコンポ)を汚泥に添加して微生物を活性化し、嫌気的発酵をより促進すること で、発酵過程で生じる有機酸類がアルカリを中和する。建設汚泥は1カ月ほどで中性化され、埋戻土などへの 再利用が可能となる。
今回、同工法を発展させて確立した技術は、中性化土壌を良質な植生基盤を再生する技術。バーク堆肥と化成 肥料を一定割合混合し、「団粒化」という保水性に富みながら排水性・通気性も良く、作物の生育に適する状 態に促進することで、良質な植生基盤へ再生することに成功したもの。 開発に伴う実証実験では、pH値10・5のスラリーに発酵促進剤を混合。これを脱水処理して脱水ケーキに 成形した後、30日間の嫌気発酵によってpH値8・5以下に中性化する。 さらに、バーク堆肥を15%混合し、化成肥料を0・3%混合して最終的に建設汚泥は緑化土壌に再生した。 この再生土壌で芝を生育したところ、非常に良好な生育結果が得られた。
また、同工法は特別なプラントを使わず、通常、現場に置かれている濁水処理設備に、発酵促進剤の自動投入 装置と攪拌装置を組み込んだ簡易なもの。濁水の処理能力は、設備の規模にもよるが、毎時100〜500? というもの。
同工法は、現地で建設汚泥を処理して再利用するため、場外処理する場合に比べて処理コストは2割程度削減 できる。また、現地の緑化も建設汚泥を100%再生して利用できるため、土壌の購入にかかっていたコスト の4割程度を削減できるようになった。
さらに、汚泥を場外搬出しなくてすむため、その分トラックによるCO2の排出量を抑えることができる。ま た、発酵促進剤「ニュートラルコンポ」は小麦成分等の天然素材のみを使用し、環境にやさしい材料となって いる。