□□□□□□□□ 既成杭の耐震性を向上 □□□□□□□□□□□ 清水建設?(宮本洋一社長)と住友金属工業?(友野宏社長)が共同開発し た「拡頭リング工法」の適用現場が、年内に10件に到達する見通しとなっ た。 同工法は、杭頭部と建物基礎を剛接合して、既成杭の耐震性を向上させるも ので、短工期で高品質な施工を可能にする技術。 この「拡頭リング工法」は、鋼鉄製の「拡頭リング」を使って杭頭部と建物 基礎を剛接合し、その接合部を補強することで大地震の際も杭頭部の損傷を 防ぐ工法。杭頭リングは、杭径の1・5倍の径を持たせた茶筒のような形状 で、底に杭とほぼ同径の穴が開いている。 これをあらかじめ工場で生産し、現場で杭頭の上から被せてコンクリートを 充填するだけで接合は完了する。
杭と接合部を繋ぐための鉄筋溶接などの工程がいらず、単純作業だけで施工できるため、天候によらず短工 期で高品質な施工ができることが特徴。 鋼管杭やSC杭などの既成杭の耐震補強に最適なほか、土木構造物にも適用が可能となっている。 既成杭の耐震性を向上する工法として、定着鉄筋を現場溶接する従来技術に替わる半剛接工法がすでに開 発・実用化されている。 同工法は、半剛接部材を介して杭頭部と建物基礎を繋ぐことで、杭頭の固定度を低下させて地震時に杭頭で 生じる大きな応力を軽減するもの。 これに対して「拡頭リング工法」は、接合部に剛構造を採用したもので、従来工法に替わる新接合工法とし ては唯一の剛接合工法。支持力10メガニュートン級の高支持力杭にも対応可能なほか、建物形状がある程 度限られる半剛接工法に比べて建物の形状を選ばず、杭頭部の水平変形も小さくなる。 同工法は、これまでに中高層建物の杭基礎、本数にして500本以上に適用。 このうち、川村女子大学第四期工事では、最大支持力約6メガニュートンのSC杭約50本に適用され、今 年2月に杭施工が完了している。 拡頭リングは、径が杭径の1・5倍、高さが杭径の0・5倍の鋼製で、外周鋼管の内側にアンカー鉄筋が溶 接されたもの。 この拡頭リングを工場から現場へ搬入し、杭の上から被せて、拡頭リングと杭頭の間の隙間にコンクリート を充填するだけで接合が完了する。 これにより、高品質な剛接合を簡単に施工できる。 同工法は、今年3月に財日本総合試験所の「建築技術性能証明」取得し、また、7月には国土交通省が後援 する「第九回国土技術開発賞」で入賞している。 清水建設と住友金属工業の両社では今後、同工法を各種の中高層建物などに積極的に提案し、本格的な普及 開発を図っていく考え。 (曽碩和彦)