来訪者の動きを自動的に察知し必要な案内サービスを提供 清水建設?(宮本洋一社長)はこのほど、来訪者の動きを自動的に察知して必 要な案内サービスを提供する「インテリジェント・ガイドシステム」を開発 し、東京都江東区の同社技術研究所内のクリーンルーム実験棟に導入した。
同システムは、ITやロボットを融合させた次世代技術といわれる「空間知能化技術」を活用し、同技術の分 野では、実用レベルの開発に初めて成功したもの。
空間知能化とは、空間の状態やそこにいる人間の状態をセンシングし、空間全体で高度なサービスを実現しよ うとする次世代技術。空間側に配置した複数のセンサーやコンピュータなどをネットワーク化し、人の動きを 認識して必要なサービスをタイムリーに、安全・確実に提供しようとする試み。空間知能化については現在、 内外の多数の研究機関や企業で活発に研究が続けられている。
今回開発した「インテリジェント・ガイドシステム」は、この空間知能化の一テーマとして取り組み、開発コ ンセプトは来訪者の動きをシステム側が自動的に分析し、理解することによって来訪者が必要とする施設案内 をその都度提供していくというもの。 同システムは、これまで清水建設が開発してきた画像処理技術などを駆使し、「ネットワークカメラ」と「状 況認識コンピュータ」及び移動型の「自在プロジェクション装置」を統合的に運用することで、開発に成功し た。
同システムによる案内サービスは、まず室内に配置したネットワークカメラで来訪者の姿を捕捉。その画像を 高速処理して「歩行」あるいは「滞留」状態として検知する。この検知機能は「背景差分法」という画像処理 手法を使っている。
来訪者が入場して立ち止まると、同システムは「滞留」状態と検知し、施設案内や技術説明を開始する。この 案内・説明は「自在プロジェクション装置」が担当。同装置は必要に応じて移動しながら、内蔵したプロジェ クターで壁・床・柱など説明に都合の良い場所をスクリーンに選び、説明用の画像を映し出すことができる。 画像の中には来訪者が選択できるメニュー画面があり、このメニュー画面に「タッチ」すると「自在プロジェ クション装置」に内蔵したカメラがその選択を検知し、来訪者の希望に応じた案内や説明を行う。
同社では今後、同システムを美術館や博物館、ショールームなどの案内スペース向けに積極的に提案し、建設 工事の受注に貢献していく考え。 将来的には同システムをさらにブラッシュアップさせて、高齢者にやさしい案内や非常時の案内誘導など安 全・安心への展開を図り、従来にはない機能を持った付加価値の高い空間・インフラの創出に取り組む計画。