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清水建設、ひび割れ抑制性能を付加した「低収縮・高耐火・高強度コンクリート」の製造技術を確立

ひび割れに強い超高強度コンクリートを新本社に適用

~石灰石を超高強度コンクリートの骨材に使用~
  清水建設(株)<社長  宮本洋一>はこのほど、高耐火・高強度のAFRコンクリートにひび割れ抑制性能を付加した「低収縮・高耐火・高強度コンクリート」の製造技術を確立しました。実用化の第一弾は、新本社の外観を特徴付けるPCフレーム(ハイブリッド外装システムの構造体部分)で、今秋からその建て込みがスタートします。本コンクリートの使用量は全体で4,300.、2階~17階までのPCフレームに採用されます。

  高強度コンクリートは、主にマンションの柱部材として普及してきましたが、今後は居室やオフィス空間を拡大するため、構造体を兼ね備えた外装部材としての利用増大が見込まれます。ただ、コンクリートは打設後に収縮する性質があり、何らかの原因で均一に収縮できなくなるとそこにひび割れが発生し、美観や漏水抵抗性を損なうおそれがあります。

  コンクリートの自己収縮や乾燥収縮の要因の一つは、骨材自体の収縮です。収縮防止には、殆ど収縮しない石灰石の使用が最も効果的であることが知られていますが、石灰石は一般に耐火性が低く、火災時に石灰石自体の強度が低下し、コンクリートの爆裂(表層の剥離・飛散)を誘発する怖れがあります。特にコンクリートの強度が高くなるほど、石灰石の有無にかかわらず、爆裂現象が顕著になることから、設計基準強度で60N/mm2を超える高強度コンクリートの骨材には、砂岩や安山岩が採用されていました。

  一方、新本社に採用するPCフレームについては、高強度コンクリートを用いる低中層階用のフレームのコーナー部にひび割れの発生が予想されました。その防止には石灰石の採用が望ましかったことから、高耐火・高強度コンクリートとして開発したAFRコンクリートの製造技術を適用し、「低収縮・高耐火・高強度コンクリート」の開発に取り組みました。AFRコンクリートは、合成繊維を混入した高強度コンクリートです。合成繊維は火災時の熱で溶融・消失してコンクリートに微細な空洞をつくり、この空洞が表層の熱膨張力や内部で膨張した気体の圧力を緩和する役割を果たし、表層の剥離・飛散を防止します。

  技術研究所で実施した実証試験では、在来とAFRの製造方法(合成繊維を0.11%混入)で1体ずつ、新本社の低層階用フレームと同じ設計基準強度80N/mm2の柱の試験体を製造し、載荷加熱しました。在来の試験体は125分で破壊が確認されましたが、AFRは所定の耐火性能を1時間上回る4時間耐火の試験にも合格しました。

  当社は今後、「低収縮・高耐火・高強度コンクリート」を差別化技術として活用していくとともに、PCフレームを製造する子会社のSCプレコン(株)は、プレハブ建築協会から石灰石骨材使用の超高強度コンクリートとして認定を取得し、一般建築にも展開していく予定です。
≪参  考≫

1.ひび割れのメカニズム
  コンクリートは、打設後に収縮する性質があります。この収縮現象には、自己収縮(セメントの水和反応に伴う体積減少)や乾燥収縮(コンクリートの乾燥に伴う体積減少)があり、いずれも骨材自体の収縮が一因です。コンクリートの収縮を抑制する方法として、収縮低減剤を添加する方法がありますが、1.あたり3,000~5,000円のコスト増となるうえ強度低下等のデメリットがあります。

2.超高強度コンクリートが剥離・飛散するメカニズム
  火災時の高熱による表層の急激な熱膨張や、コンクリート内部に含まれる水分の急激な気化・膨張などが原因として考えられています。コンクリートは、高強度になるほど密実になり、火災時の高熱下では熱膨張力が大きくなるとともに、内部で膨張した気体の逃げ道がなくなり内部圧力が一層高くなるからです。このため、設計基準強度80N/mm2以上の超高強度コンクリート部材には、耐火対策が必要です。

3.AFRコンクリートR
  混入する合成繊維の直径は0.005~0.10mm、長さは5~40mmです。当社と竹中工務店が共同開発したもので、両社で計33棟、87,000.の打設実績があります。設計基準強度80N/mm2と100N/mm2のコンクリートに対する混入率は0.10~0.20vol%です。コンクリートミキサー車の中に少量の合成繊維を混入するだけで製造できるため、特別な製造設備は不要です。

.ハイブリッド外装システム
  建物外周部に位置する柱・梁を細分化して構築したフレームの中に、ガラス、耐震パネル、太陽光発電パネルを組み込んだ外装システム。細分化した柱・梁は、ガラス面から50cmほど張り出しており、太陽光を遮断する庇の役割も果たします。

5.エスシー・プレコン
  所  在  地:千葉県流山市大畔440番地
  社  長:杉山芳博
  資  本  金:1億円
  事業内容:プレキャスト・コンクリート製品の製造・販売など

【参考写真】
  ・4時間加熱後(80NのAFRコンクリート)
  ・加熱125分で破壊(80Nの対策無しコンクリート)
  ・「低収縮・高耐火・高強度コンクリート」を打設したPCフレーム
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清水建設(株)

http://www.shimz.co.jp/

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