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清水建設、伝統木造建築向け制震板壁を開発

伝統木造建築向けの制震板壁が地震力を吸収

~現在の知見を伝統木造建築に付加し、高い耐震性を確保~

  清水建設(株)<社長  宮本洋一>はこのほど、伝統木造建築向けに、木材の摩擦を利用して地震力を吸収する業界初の制震板壁を開発、長明寺本堂(所在地:台東区谷中五丁目)をはじめ、新築工事への適用を始めました。従来の耐震板壁と現代の技術に基づく制震板壁とを併用することで、伝統木造建築の耐震性能が飛躍的に向上します。制震板壁は、粘弾性体や金属を使用する従来の制震ダンパーとは全く異なるもので、耐久性が高く、また震度7クラスの大規模地震時における建物の変形を2割程度低減でき、構造安全性を維持できることを確認しています。

  伝統木造建築に見られる一般的な板壁は、両脇に柱が位置し、かつ板壁の両端は柱に切り込まれた鉛直の溝の中に収まっています。ただ、地震で柱が傾斜した際に板壁を構成する個々の板には上下間で水平方向にズレが生じてしまいます。このため、鎌倉時代以後、上下の板の接合面に小穴(ダボ穴)を設けて、そこにダボと呼ばれる直方体の木片を差し込み上下の板壁のズレに抵抗し、柱の変形を抑える耐震板壁が出現しました。

  一方、開発した制震板壁の特徴は、ダボとダボ穴の形状を工夫し、さらにダボの表面に加工を加えることで地震力の吸収機能を飛躍的に高めたことです。耐震板壁と異なる点は、まず上側の板のダボ穴の長さを下側のダボ穴の長さより5cm程度長くします。次に下側の板のダボ穴に合わせた板状のダボを製作し、かつダボの頭部中央に長手方向に溝を入れます。さらにその溝に楔状の板材を仕込み、上側の板のダボ穴で押さえつけることで楔板とダボが密着することはもちろん、押し広げられたダボ頭部もダボ穴に密着します。地震時に柱が変形すると、上側の板のダボ穴の長さが下側よりも長いため、上下の板の間に水平方向にズレが生じ、密着している部位がズレことで摩擦力が生じ地震力を吸収します。

  技術研究所で実施した制震板壁の繰返し載荷や経年変化の影響を確認する試験において、通常の使用範囲においてはメンテナンスの必要がないことを確認しています。当社は今後、制震板壁を含め伝統木造建築の付加価値を高める提案をすることで、純木造の社寺の新築工事ならびに、改修工事の受注拡大を目指します。

  

清水建設(株)

http://www.shimz.co.jp/

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