荒瀬ダム水位低下設備の放流工を掘削完了
ダム撤去工事にFONドリル工法を初めて適用
株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:上田卓司)は、荒瀬ダム本体等撤去工事においてダム上流側の水位を低下させるための「水位低下設備」を完成しました。これを受けて熊本県は6月10日から荒瀬ダムの貯水位を下げるための放水を開始しました。
この水位低下設備は、河川水を流下させるトンネル形式の放流工と水位低下ゲートからなっています。放流工はダム堤体に高さ4m×幅5mの矩形のトンネルを掘削する工事であり、コンクリートの掘削には当社保有技術である「FONドリル工法」を採用し、ダム撤去工事の中でも本体に穴を開ける工事として初めて適用しました。
荒瀬ダムは、球磨川の河口から19.9kmに位置し、球磨川地区総合開発計画の一環として昭和30年3月に竣工した発電専用の可動堰付き重力式コンクリートダムです。平成22年3月31日水利使用許可期間満了に伴って発電を停止し、河川内工作物である荒瀬ダム・取水施設および放水路の撤去を行なうことになりました。
この荒瀬ダム本体等撤去工事では、河川を転流しながら上流側ダム湖の上流水位を低下させ、ダム堤体を撤去することを計画しています。荒瀬ダムの既存堤体は、上流水位を低下させる設備を有していないことから、まず第1段階として、水位低下設備を2基設置する計画となっています。
放流工は、既存のダム堤体内にトンネルを構築することから、既存堤体の構造に影響を与えない設計・施工が求められ、構築する位置や規模は理論上かつ経験上、ダム堤体の構造に影響を与えないよう設計されています。施工面では、ダム堤体に影響を与えないこと、および渇水期のみの施工となることから、2基の放流工の迅速かつ効率的な施工が求められました。このため、当社の保有技術「FONドリル工法」を採用して高い施工性を確保しました。
FONドリル工法とは、汎用機械を使用して効率的に連続性の優れた深さ1.2mの人工的な溝(自由面)を形成する工法であり、この自由面により周囲のコンクリートと縁を切り、放流工周辺のコンクリートに影響を与えることなく掘削することを可能としました。放流工のうちトンネル形状となる長さは17mですが、そのうち15.3mはFONドリル工法により2月の下旬から3月にかけて施工しました。上流側貯水池の堤体撤去時に予想外の岩盤が出現したためこの撤去工事が追加となり、放流工用のゲートの設置時期が2ヶ月ほど遅延したため、残り1.7mは小型の機械を使用して5月の上旬から施工し5月27日に完成、6月10日より放流を開始しました。
《FONドリル工法》
・FON:Fast,Onside and Non-pareilの略
・FON工法協会:会長 竹村幸弘 (株式会社フジタ建設本部土木エンジニアリングセンター長)
事務局:東京都武蔵野市吉祥寺東町2-17-1 (藤友工業(株)内) tel 0422-21-3177
<正会員>株式会社フジタ、株式会社大本組、日本ロックエンジニアリング株式会社、藤友工業株式会社、株式会社福田組
<賛助会員>他3社(計8社)
・特長:
1.汎用ドリルジャンボのドリフター先端にSABロッドと呼ばれるガイドとなるロッドを取り付ける機構のため、自由面形成において専用機は不要であり、自由面形成・割岩孔穿孔・ロックボルト打設まで同一機械による施工が可能
2.機械の大きさ、性能を問わず、どんな汎用機械においても施工が可能のため、大断面から小断面まであらゆる断面に対応でき、さらに地山性状に合わせた適切な汎用機械を選定可能
3.ビットがSABロッドを打撃しながら連続孔を穿孔するため、形成される自由面の連続性に優れ、形成される自由面の幅も在来工法より広いため、割岩時の施工性が高い
4.大断面トンネルの実績では、一軸圧縮強度200MPaを超過する硬質な岩盤においても、170kg超級のドリフターの使用により1ブームあたり3.7m2/h以上の自由面形成能力があり、効率的なトンネル掘削が可能
(株)フジタ
http://www.fujita.co.jp
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