鹿島の室内カビエンジニアリング技術
計画・設計段階から施工中・竣工時までの総合的対策技術を確立
I.カビの発生と成長リスクを予測評価 II.カビの生えにくい建材データベース
III.カビかどうかを1~30分で診断 IV.塗るだけ防カビ剤「モールセーフ(R)」
鹿島(社長:中村満義)は、カビの発生から建物を守る、総合的な室内カビエンジニアリング技術を確立しました。カビは生き物であり単一のツールで抑制することが困難ですが、建物の計画・設計段階から施工中・竣工時まで、各段階で展開できる一連の対策を確立し、それらを相互に活用することで、より効果的に室内カビの発生を制御します。
今後、美術館や医薬品施設、学校など、より良い空気環境を必要とする施設はもちろん、建物用途を問わず非空調の地下室や多湿環境など、防カビのニーズが高い場所へのソリューションとして、幅広く提案していきます。
<開発の背景>
近年、気密性の高い建物が増加したことや、地下居室・半地下建物の増加などから、室内カビ汚染の問題が顕在化しています。場合によっては施工中や竣工後間もない時期にカビが発生することもあり、別途カビ除去工事が必要となる場合も散見されます。
計画・設計段階での対策としては、防カビタイプの建材使用や、除湿・換気設備の増強などが一般的に考えられますが、最近では地球温暖化や夏期の集中豪雨などの影響から、特に非空調の居室や地下倉庫などにおいてはカビの発生を避けられない場合があり、施工中・竣工時までを含めた、総合的な防カビ対策技術が求められていました。
そこで鹿島では、I.予測評価、II.建材選定、III.測定診断、IV.対策技術の4つを柱とする、計画・設計段階から施工中・竣工時まで、段階に応じて相互に活用できる室内カビエンジニアリング技術を確立しました。
I.予測評価「カビ成長予測技術」(計画・設計段階)
建物の仕様や建材の種類、また施設の使用条件や温度・湿度などから、予めカビの発生と成長リスクを予測する新たな評価手法を構築しました。温度や湿度についてはその実測値、あるいは当社開発の「キャナリープラン(R)」(
II.建材選定「カビ耐性建材選定技術」(設計・施工段階)
建材のカビ耐性を評価する試験(カビ抵抗性試験:ISO846)は、結果を得られるまで1.5ヵ月~2ヵ月と時間がかかること、また、建材ごとに評価方法が異なることが課題でした。そこで、使用頻度の高い内装建材を対象にして、カビの生えにくさを4クラスに区別したデータベース(50種類)を構築しました。
さらに、データベースに無い建材については、建材選定まで時間の猶予がない場合にも対応できるよう、建材そのものがもつ表面のpHや、含水率などの物性値から、カビ耐性を30分で評価する簡易評価法を併せて開発しました。
カビ耐性の評価にかかる時間を劇的に短縮することで、設計・施工段階での充分な建材比較・選定を容易にし、カビ発生リスクの低減に寄与します。
*参考画像は添付の関連資料「参考画像3」を参照
III.測定診断「カビ迅速診断技術」(施工段階)
一見してカビに見える汚れも、錆びや化学的な変質であることもあり、カビかどうかを判断して対策を行うには調査を行わなければなりません。従来の調査には汚れを採取して培養する方法しかなく、1週間以上の時間がかかり、また誤認識する場合もあるなど、課題がありました。
今回鹿島が開発した「NAD(
IV.対策技術「防カビ対策技術」(施工段階・竣工時)
カビが施工中や竣工時に発生してしまうと、建材や換気設備などで対策することが困難という問題があります。これを解決すべく、建材表面に直接塗布できる防カビ剤「モールセーフ」を三愛石油(株)(社長:金田 凖)と共同で開発しました。
通常の防カビタイプの建材(塗装や壁紙)が有効薬剤を予め練り込むのに対し、「モールセーフ」は建材の表面に直接塗布するので、建材表面の防カビ性能が更に高まります。また、一般的な市販の防カビ剤と違い、「モールセーフ」は主成分のアルコールに2種類の有効薬剤を添加しており、より多種類のカビに効果を発揮するよう工夫されています。
ほぼ無色透明の液体でローラーや刷毛で簡単に塗布でき、ほとんどの内装材の表面に使用することができます。またVOC等の化学物質の放散も少ないので、室内環境への影響もほとんどありません。
*参考画像は添付の関連資料「参考画像4」を参照
<今後の展開>
カビによる品質劣化が懸念される美術館、倉庫、医薬品工場、良好な空気環境を求める学校、病院、加湿を行う食品工場、印刷工場、多湿環境の地下室、エントランス、集合住宅など、防カビのニーズは極めて多種多様で高いものがあります。鹿島は、このほど確立したカビエンジニアリング技術の幅広い適用によって、これらのニーズに応えていく方針です。鹿島建設(株)
http://www.kajima.co.jp/
*記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。