トップページ  ▶プレリリース  ▶清水建設、中...

清水建設、中小規模オフィス向けの天井輻射空調システムを開発

中小規模オフィス向けの天井輻射空調システムを開発
~輻射空調の快適性・省エネ性を維持しつつローコスト化を実現~
  清水建設(株)<社長  宮本洋一>はこのほど、建築物のZEB化に有効な空調技術として、省エネ性と快適性に優れる輻射の効果を活かした、中小規模オフィス向けの天井輻射空調システム「S-ラジシステム  ライト」を開発、本年3月に竣工予定の四国支店新社屋に初適用します。本システムは、天井内部に設置した冷却装置で生成した冷気の自然対流を利用し、冷気で冷却された天井面からの輻射効果と、有孔天井パネルから染み出す冷気で室内空調を行うハイブリッド型の輻射空調システムです。本システムを通常の空調システムに代えて採用するだけで、ビル全体で15%程度の消費エネルギー削減効果が生まれ、静粛かつ温度ムラの少ない快適な室内環境の創出も可能となります。

  建築物省エネ法が本年4月に施行されるなど、建築物の省エネ・ZEB化政策が加速する中、エネルギー効率の高い空調技術として期待できるのが輻射空調システムです。当社は、2012年に竣工した本社ビルに、天井パネルの裏側に冷温水管を設置する天井輻射パネル方式の空調システム「S-ラジシステム」を初適用するなど、輻射空調の技術開発に注力してきました。S-ラジシステム・ライトは、今後見込まれるZEB化ニーズの増大を見据え、中小規模オフィスにも導入しやすいローコストな輻射空調システムとして開発したものです。

  S-ラジシステム・ライトは、天井輻射パネル方式とは異なり、天井内部の冷却装置(チルドビーム)で生成した冷気の自然対流を利用して天井面を冷却し、かつ、天井面の金属製有孔パネルから室内側へ染み出す冷気も併せて空調に利用する輻射空調システムです。チルドビームは空気冷却コイルの一種で、16℃程度の冷水を通水することにより、周辺の空気を冷却し、20℃程度の冷気を生成します。本システムでは、チルドビームを天井面積30~50m2に1台の割合で配置することで、中小規模のオフィスに対応できる最大60W/m2程度の冷房能力を実現します。

  本システムは、S-ラジシステム同様、送風機等の空気搬送動力が不要なため、一般的な対流式の空調システムと比べて消費エネルギーを大幅に低減できます。また、空気のドラフトによる不快感がないため室内環境の快適性が高まるメリットもあります。加えて、冷却コイルに必要な冷水温度が一般的な空調方式(7℃)よりも高い(16℃程度)ため、冷凍機等の熱源消費エネルギーも削減できます。また、冷水の生成に井水や地中熱などの自然エネルギーを利用することで、消費エネルギーのさらなる削減効果が見込めます。

  コスト面に関しては、冷却部を天井面から分離・集約化したことで、天井輻射パネル方式と比べ、ローコスト化を実現。一般的なセントラル空調方式に代えて本システムを採用した場合の追加コストは、建設費全体の2%程度に留まります。当社は今後、中小規模オフィスのZEB化にも貢献する技術として、他の省エネ技術と共に提案活動に注力していく考えです。
以上
≪参考≫

  

清水建設(株)

http://www.shimz.co.jp/

*記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。