交通円滑化と地域発展に寄与 兵庫県が1994年度から整備を実施していた「主要地方道洲本灘賀集線(阿万 バイバス)」が、このほど全線供用を開始した。南あわじ市阿万東町から賀 集八幡までの延長7.8?の路線のうち、未供用区間の約2.3?の整備が完了し たことによるもので、3月26日に開通式が行われた。総事業費は約89億円。
洲本灘賀集線は、洲本市塩屋を起点に、南あわじ市賀集に至る延長約45.6?の県道。このうち、南あわじ市 阿万東町から国道28号までの区間は民家が密集する地域で、幅員が狭い上、歩道なく、朝夕の通勤・通学の ラッシュ時や観光シーズンには慢性的な交通混雑が生じ、交通事故も多く発生していた。 このため兵庫県では、これら課題解消のため、1994年度から阿万東町から賀集八幡に至るバイパス道路の整 備に着手したもの。道路は、現道拡幅部0.62?を含む延長7,820m、幅員は6.5m(15.0m)で、両側歩道3.0 m(一部片側)で整備され、工事は、周辺の圃場整備計画などとの調整を図りながら、工区を分割して進め られた。 工事では、市道上町吹上線から市道福良北阿万線までの約1.8?が2000年3月、阿万東町の現道拡幅区間約 0.6?が2001年2月、市道福良北阿万線から国道28号線に至る約2.4?が同18年9月、さらに阿万東町から 県道阿万港線までの約0.7?が昨年9月に、それぞれ供用を開始し、今回、県道阿万港線から市道吹上線間の 約2.3?が整備を終え、同バイパスの全線供用となったもの。 この全線開通に伴い、円滑で安全な交通が確保でき、阿万海水浴場や灘黒岩水仙郷などの主要観光地へのア クセスが大幅に向上するとともに、地域の自立、活性化につながり、さらに離島振興地域から市中心部への 時間短縮による市の一体感が醸成でき、緊急・救急車両の迅速化なで、市民生活の安心確保が図れるなどの 効果が期待されている。