ダム本体コンクリート打設が本格化へ、鹿島・株木・新井特別JV 兵庫県が1993年度から多目的ダムとして建設を進めている「みくまりダム」の 本体工事の本格化に伴う定礎式が17日、篠山市三熊地先のダム建設現場で執り 行われた。加古川水系三熊川の治水対策並びに水道用水確保を目的に計画され た、堤高27m、堤頂長86m、体積約1万7,600立方mの重力式ダム。定礎式に は兵庫県はじめ地元、工事関係者ら約130人が出席して、ダム底部に礎石を埋 設した。施工は鹿島・株木・新井特別共同企業体が担当している。2008年度の 完成予定。 11時から行われた定礎式では、初めに兵庫県丹波県民局の柏原藤一郎局長が、 ダム建設にあたり地権者ら地元関係者らの協力に謝辞を述べるとともに、水分 (みくまり)の神が地域に清らかな水を分け与えたーという地名の由来を紹介 しながら、「このダムが清らかでおいしい水を与え、地域の発展に寄与するも のと思う」とその役割を語り、「今後、工事の安全確保と円滑な施工に努めて いただくとともに、地域の方々の支援と協力をお願いする」と式辞を述べた。
来賓祝辞では、冬柴鐵三・国土交通大臣から、「安全で安心な国土づくりには治水対策も必要であり、このダ ムは地域の発展に貢献する事業として国も支援しており、ダムの定礎を嬉しく思う。今後は1日も早く完成す ることを祈念する」とのメッセージが披露(代読=近藤修・国土交通省河川局治水課事業監理室課長補佐)さ れた。 次いで、本井敏雄・丹波県民局県土整備部長による事業経過報告に続き、定礎が行われた。芦田徹也JV所長 の先導で礎石が運ばれ、谷公一・衆議院議員はじめ柏原局長、近藤課長補佐、原口和夫・兵庫県県土整備部長 の四氏により鎮定が行われた後、斉鏝と斉槌が、それぞれ関係者らの手によって行われた。 引き続き、地元の大芋小学校の児童によるメモリアルストーンが収められた後、コンクリート打設が行われ た。近藤課長補佐と原口部長、篠山市の稲川敏之助役の3氏がスイッチを押すと、クス玉開披とともに礎石が 据えられた底部にコンクリートが流し込まれ、見守っていた出席者から大きな拍手が巻き起こった。 最後に工事施工者を代表して、住吉正信・鹿島建設執行役員関西支店副支店長が、「有意義な事業に参画でき 施工者冥利につきる。工事はこれまで関係者らの協力を得て順調に推移しており、今後最盛期を迎えるが、定 礎式を機にJV一丸となって工事に取り組み、無事故・無災害を目指す」とその決意を語った。 みくまりダムは、洪水調節と水道用水の確保、河川流域の維持を目的に「河川総合開発事業」として1993年度 に事業着手された。ダムは、篠山市三熊の1級河川加古川水系三熊川に、堤高27m、堤頂長86m、体積約1万 7,000立方m、貯水量38万立方mの重力式コンクリートダムとして計画された。 工事は、2002年から工事用道路や付替道路の工事を経て、同2005年12月にダム本体工事に着手され、昨年年10 月末に堤体掘削を完了、同11月にコンクリート打設を開始したもので、今回の定礎式はダム本体の本格打設に あたって行われたもの。打設は9月中旬頃に完了し、その後、平2008年11月より試験湛水を開始、工事完了は 同2009年3月を予定している。