(社)日本建築家協会近畿支部(吉羽逸郎支部長)が主催する第4回「関西 建築家新人賞」の受賞者に長田直之氏(ICU1級建築士事務所)が決定し た。受賞作品は共同住宅の「CUR」。同賞は、支部地域内で設計活動に携 わる意欲に満ちた建築家の育成と発掘を目的に、45歳以下のJIA会員を対 象として実施しているもの。今回は、1998年から2008年までに建てられた建 築1点を審査対象として募集を行い、応募のあった20人の中から、木原千利 氏を委員長とする3名の審査委員により決定したもの。 受賞作品のCURは、2003年に芦屋市に建設された賃貸集合住宅で、RC造 5階建て、延床面積926・33?の規模。1階を店舗に、2階から5階までを各 5戸のワンルームとしたもの。 審査にあたり木原委員長は、1階をピロティで持ち上げ、2階から4階まで をくの字型の住戸を配した平面構成が変化のある立面を形成し、道路側の空 地など、「街並み形成への積極的な貢献など、様々な条件下で、建築家の力 量が感じられる秀作」と講評している。なお、表彰式は28日の本部通常総会 で行われる予定で、支部から賞状と賞牌が贈られる。
長田直之(ながた・なおゆき) 1990年、福井大学工学部建築学科卒業後、安藤忠雄建築研究所に勤務、1994年にUCI1級建築士事務所を 設立。文化庁新進芸術家海外留学制度研修でフィレンツェ大学に留学、2008年から奈良女子大学準教授。S Dレビュー賞(95、96、99)入賞、JCDデザイン賞、第31回中部建築賞、日本建築学会北陸支部北陸建築 文化賞などを受賞。愛知県出身。41歳。