建替住宅450戸と用地活用予定価格66.73億円、12月に総合評価入札 大阪府はこのほど、「府営豊中新千里東住宅民活プロジェクト」をＰＦＩ事業の特定事業に選定するととも に、入札公告を行った。府営住宅建設後に所有権を府に移転するＢＴ方式で実施、12月に入札書等を受け付 け、総合評価一般競争入札（ＷＴＯルール）で落札者を決定する。予定価格66億7,319万千円。事業期間は 2014年12月末まで。 事業は、豊中市新千里東町３の約2.8haを対象に、事業用地を２工区に分け、第１工区は建替住宅、第２工区 には建替住宅と付帯事業としての用地活用に民間施設等を整備する。計画では、建替住宅として第１工区に 280戸、第２工区に170戸の計450戸を整備する。また、事業用地外の区域での既存施設の解体撤去を実施す る。 建替住宅は、階高14階建て以下で複数棟でも可とし、住戸はＭＡＩハウス６戸を含み一ＤＫから４ＤＫタイ プを整備。また、用地活用では、土地の有効利用を図り、若年層の居住に配慮した良質な住宅、地域活性化 につながる施設の建設など、地域のまちづくりに資するものとしている。 特定事業の選定では、府が直接実施した場合と、ＰＦＩ事業で実施した場合を財政負担額で比較した定量的 評価では、ＰＦＩ事業では約4.5％の削減効果が見込まれ、また、定性的評価でもＰＦＩ事業では早期の供用 開始と効率的な維持管理の可能性が高いことから特定事業に選定された。 ＰＦＩ事業者の業務範囲は、事業計画の策定業務と府営住宅整備業務、入居者移転支援業務、用地活用業務 （付帯事業）で、住宅整備業務では、基本・実施設計、建設工事のほか、第１工区の既存住宅３棟110戸、第 ２工区の同４棟161戸の解体撤去を含む。また、区域外の解体工事は、20棟170戸。 入札は、建設企業や設計企業ら複数の企業を含むグループによるものとし、このうち建設企業は２から３社 で構成する特定ＪＶで、メンバーのうち一社は建築一式工事で大阪府建設工事一般競争（特定調達）入札参 加資格の認定を受け、同一式工事での経営事項審査の総合評定値が1,200点以上など。また、中小企業等（経 審総合評点1,050点以上、1,269点以下）が２社以上メンバーとなる場合は、４社構成でも可とするほか、出 資比率は２社30％以上、３社20％以上、４社15％以上とし、最大の出資者が代表者となる。 入札参加者に対しては、９月29日から10月３日までに提案受付番号を交付、質疑応答を経て12月１日に入札 書や事業提案を受け付けて開札。同下旬には落札者を決定し、来年１月に仮契約、同３月に本契約を締結す る予定。提案審査は「府営住宅建替事業における民間活力の活用委員会」が落札者決定基準に基づき実施す る。 事業スケジュールは、第１工区は2011年11月末に建替住宅の所有権移転と引渡し、2012年３月末にＰＦＩ事 業者に活用用地を譲渡する。２工区は同26年６月末に建替住宅の所有権移転と引渡しを行うとしている。