都市再生機構西日本支社が実施していた「向ヶ丘第1団地ストック再生実証 試験共同研究者募集」に戸田建設グループ(代表者=戸田建設(株)大阪支 店。構成員=若築建設(株)大阪支店、京都工芸繊維大学鈴木研究室、 (株)星田逸郎空間都市研究所、米谷良章設計工房、(株)和田建築技術研 究所)が選定された。機構が進める住棟単位での改修技術開発「ルネッサン ス計画」プロジェクトの一環として、実在の住棟での技術提案や施工の実証 試験を行う共同研究者を民間から広く募集していたもので、今後は共同研究 者の提案に基づき、機構と共同で実施設計、法申請、試験施工・検証などを 実施する。
今回の対象住棟は、昭和35年管理開始の大阪府堺市西区津久野町1−18に位置する向ヶ丘第一団地の26号棟 (壁式構造・中層階段室型4階建て16戸)、27号棟(前同)、28号棟(ラーメン構造・中層階段室型5階建 て30戸)の3棟。27・28号棟を募集区分?、26号棟を募集区分?とし、?では機構が住棟改修基本計画を提 示、?では応募者による住棟改修基本計画を募っていた。公募では、?には2社から、?には3社からの提 案を受け付け、外部有識者と機構で構成する審査委員会の審査において?については「研究テーマの提案及 び住棟外観デザインが特に優れていたため」、?については「研究テーマの提案及び住棟改修基本計画が特 に優れていたため」、??いずれも共同研究者に戸田建設グループが選定された。 同グループの提案は次の通り。 募集区分? 27号棟「生活クオリティの向上としての団地再生」をテーマに ▽エレベーター設置によるバリアフリー化 ▽構造フレームの付加でバルコニーを拡張 ▽設備スペースを外部に集約化しメンテナンス性向上 ▽外断熱等による外壁仕上げの変化 ▽住戸からコミュニティ施設へのコンバージョン+増築などを行う。 28号棟「環境共生社会に貢献する団地再生」をテーマに ▽上部2層減築による耐震性能の向上 ▽減築後勾配屋根を架け、吹抜けのある住宅を実現 ▽壁面緑化、太陽光発電、ミスト散布▽機構実施のリユ ースアイデアコンペの成果を住宅で活用などを行う。 募集区分? 6号棟「サスティナブル・コミュニティに向けた団地再生」をテーマに ▽4階一部減築で屋上テラスと高天井メゾネット住宅、1階一部増築で高天井接地型住宅、1階街かど部増 築でカフェリビング付住宅に ▽縁側廊下、街かどテラスなど多様な世代が交流できるスペース ▽階段の保全利用と露地廊下等による階段コミュニティの継承ーなど。 今後は今月中に協定を締結、2009年5月頃までに設計・法申請、2010年4月頃まで試験施工及び検証を行 い、同年9月頃までモニタリング調査などを実施する予定。選定結果概要については(http://www.ur- net.go.jp/west/Renaissance/index.html)でも閲覧可能。