住宅・商業・公益棟ら建設、今年度末着工2011年１月完成へ 和泉市はこのほど、和泉府中駅東第一地区第二種市街地再開発事業の特定建 築者に東急不動産・三井レジデンシャル共同企業体を選定した。六階建ての 商業・公益棟はじめ住宅棟など三棟、総延床面積３万5,595?の再開発ビル建 設にあたり特定建築者を募集、事業提案を公募していたもの。総事業費は約 ８０億円。完成は2011年１月の予定。
特定建築者に選定されたのは、東急不動産を代表事業者に、構成員を三井レジデンシャル、協力者として東 急コミュニティー関西事業部、三井不動産、西松建設関西支社で構成するＪＶ。 事業は、和泉市府中町１丁目の施行面積約2.3haに、土地の高度利用と都市機能の更新を図り、災害に強い住 いとまちづくり、地域文化の交流活動を促進する拠点づくりを進め、和泉府中駅周辺を都心にふさわしい活 力とうるおいのある市街地へ再生することを目的としたもの。計画では、地区中央を貫く和泉府中南通線沿 いの敷地面積6,891?に、商業・公益棟と駐車場棟、住宅棟の三棟を建設。商業・公益棟はＳ造地下１階地上 ６階建て、延床面積１万1,086?、駐車場棟Ｓ造７階建て、延床面積１万0,626?、住宅棟ＲＣ造20階建て、 延床面積１万3,383?の規模。 商業・公益棟は地階と６階を機械室とし、１から２階に商業・公益施設、３階に公益施設としての図書館、 四階に健康増進施設を予定。駐車場棟は屋上も利用するため８層として382台の駐車スペースを確保。住宅棟 は分譲住宅150戸を整備する。 特定建築者の業務範囲は、建築物の実施設計と建設工事、工事監理、取得床の管理・処分などで、付随業務 として権利者と市と一体的な商業・公益棟と住宅棟の運営協力、駐車場棟と住宅棟の包括的な管理統括支 援。取得床は商業棟の１階核店舗部分と４から５階、駐車場棟６から７階、住宅棟１から20階部分。 応募にあたっては、権利者と三位一体となって参加することを前提条件として、同地区のまちづくりに係わ る事業参画の趣旨、商業・公益棟の施設コンセプトやテナント誘致計画等の施設計画の基本的な考え方、建 築計画や施設全体の運営に関する考え方のほか、特に環境への配慮などについての提案を求めていた。今年 ２月の応募登録受付には同ＪＶのみが応募。赤崎弘平・大阪市立大学教授を委員長とする選定委員会が四回 にわたる審査を経て、同ＪＶを選定した。 同ＪＶの提案では、「にぎわい」「癒し」「回遊性」をまちづくりコンセプトに、商業・公益棟では、１階 にスーパー、３階に図書館、４から５階に健康増進施設を計画。審査では、代表事業者に対し「デベロッパ ーとして商業開発に関するノウハウや建物完成後の運営に関するノウハウの強化が期待できる」と評価しな がら、市とＪＶが連携を密にし、「代表事業者が企業グループ内で確固たるリーダーシップを発揮した上 で、まちの活性化に寄与することを期待する」とした。 和泉市では、委員会からの報告を受け７日に大阪府に対して承認申請を行った。この後、実施設計などを行 い、今年度末に工事に着工、2011年１月の完成を目指すとしている。