兵庫県が、西宮市甲子園浜(今津浜公園内)で整備を進めていた阪神南広域 防災拠点が完成し、27日に竣工式が執り行われた。県内6カ所の広域防災拠 点として計画的に配置された拠点の一つで、災害時の復旧活動の支援拠点と して、備蓄機能はじめ、物資集積・配送や人員駐屯機能などを備えたもの で、竣工式には井戸敏三知事はじめ約100人が出席し、テープカットなどが行 われた。 兵庫県では、阪神・淡路大震災の教訓から、災害発生時に救援・救護、復旧 活動の拠点として、被災者用の物資等を備蓄する機能や物資の集積・配送、 応急活動要員の集結と宿泊、出動機能などを有する広域防災拠点(ブロック 拠点)を、西播磨、但馬、三木、淡路、丹波、阪神南と県内六カ所で計画的 に整備、今回の拠点で全ての整備が完了したもの。 竣工式は備蓄倉庫前で行われ、初めに井戸知事が挨拶。井戸知事は、同拠点 について「海上からの物資確保の上でも重要な拠点であり、備蓄倉庫はこの 地区に相応しい外観で、隣接する公園にマッチしたシンボルとなる」とし、 整備にあたっては、「関係者の努力が結集されたもの。今後は地域と連携し ながら防災、減災の実現を目指してく」と、その機能に期待を寄せた。
続く来賓祝辞では、兵庫県議会総務常任委員会の梶谷忠修委員長が、「この拠点の完成により県と市が連帯 を深め、安全と安心の向上に寄与することを願う」とし、地元3市を代表して西宮市の山田知市長が、「地 域の災害への備えに対する力強い施設。県と市が力を合わせ阪神間を安全、安心のまちとしたい」と、それ ぞれ拠点の完成を喜んだ。この後、井戸知事、梶谷委員長、山田市長、山中健・芦屋市長、白井文・尼崎市 長ら九氏によるテープカットが行われ、合図とともに紅白のテープにハサミが入れられると出席者から大き な拍手が巻き起こった。 阪神南広域防災拠点は、阪神南地域の防災機能を高めるため、海上と空路の両面からの物資受入機能を備え ている。災害時には、救援物資保管所1万2,500?、応急活動要員宿営所1万2,500?、車両待機スペース1 万5,000?、荷捌場1万4,000?などで構成する6万1,000?の規模。 このうち、保管場所には備蓄倉庫としてRC造1階、延床面積300?を建設。食料や毛布、ブルーシートなど の被災者用物資と、救助用と拠点用の資機材などを常備。また、海に面する荷捌場は耐震強化岸壁としたほ か、ヘリ臨時着陸場7,000?も整備されている。 整備は2006年度から造成工事などが行われ、備蓄倉庫は平塚工務店が施工を担当した。なお、平時には、救 援物資保管所が港湾緑地としての運動場に、宿営所よ車両待機スペースは公園と運動場として市民に開放さ れる。