近畿地方整備局は12日、同局が保有する海洋環境船「Dr・海洋」の一般公 開を開催した。9日から11日まで開催されていた海洋技術・開発の国際コン ベンション「オーシャンズ/テクノオーシャン08」の関連行事として実施さ れたもので、多数の市民が見学に訪れた。 Dr・海洋は、近畿地方整備局神戸港湾事務所に所属し、大阪湾及び播磨灘 の一般海域で、ゴミや油などの回収作業を行う海面清掃兼油回収船。老朽化 した紀淡丸に替わり、昨年4月に就航した。鋼製の双胴型で、全長33.5m、 全幅11.6m、総トン数196G/T、最大速力15.4ノット(常備状態)のもの で、神戸港湾空港技術調査事務所が設計・建造を担当した。 浮遊ゴミを回収する清掃装置は、船体中央部の双胴間に設置した塵芥コンテ ナを海中に下ろしてゴミを回収、流木等の大型ゴミは多関節クレーンを使用 する。油回収は、低・中粘度浮遊油用の浮遊堰式と高粘度浮遊油用のネット コンベア式の回収機で作業を行うほか、水質調査用の水質調査ダビットや水 質児童測定装置も備え付けられている。 見学は、10時から、神戸港中央突堤BC岸壁で行われ、良好な視界を確保し たオールラウンドビュー(全面窓)を採用した操舵室や清掃装置などが公開 され、参加した親子や家族らは実際に使用している海図や双眼鏡などを手に 取りながら、スタッフの説明を受け、カメラやビデオで記念撮影を楽しんで いた。
また、同岸壁では海洋研究開発機構所属の深海調査研究船「かいれい」も一般公開され、同じく家族連れな どが見学に訪れた。