産学官の連携促進、多彩な情報を神戸から発進 海洋関連産業・研究の発展につながる大きなうねりが神戸から生まれ、未来 を拓く新たな航海が始まるー。1986年から我が国で唯一定期的（隔年）に開 催され、今回で12回50年以来、米国を中心に毎年開催されている海洋の開 発・利用・保全に関する世界最大級の国際コンベンション「ＯＣＥＡＮＳ」 との合同開催として注目を集めていた「オーシャンズ，08／テクノオーシャ ン，08」（略称ＯＴＯ，08が９日から11日までの３日間にわたり、ポートア イランドの神戸国際展示場、神戸国際会議場、神戸市立ポートアイランドス ポーツセンターにおいて華やかに開催された。
「ＯＣＥＡＮＳ」は、海軍などのバックアップのもと、観測や掘削に関する製品をはじめ、海洋関連の展示 会が毎回盛況を極めるとともに、会議においても科学技術や生物学、バイオなどの幅広い分野にわたって多 くの参加者を得ている権威ある国際コンベンションで、米国外ではこれまでにフランスとカナダで２回ずつ 開催されていた。 一方、「テクノオーシャン」は、最先端の科学技術の利用・開発に携わる産学官関係者が横断的に集い、フ ェース・ツー・フェースで情報交換し、新たなパートナーシップを構築する機会を提供していくための展示 会とシンポジウムを開催しているもので、海洋科学・海洋技術等の幅広い分野にわたる情報を発信してき た。 日米でそれぞれ定期的に開催されてきた「ＯＣＥＡＮＳ」と「テクノオーシャン」との合同開催が初めて実 現したのは2004年。「Ｂｒｉｄｇｅｓ Ａｃｒｏｓｓ ｔｈｅ Ｏｃｅａｎｓ（海にかける橋）」をテーマ にアジア・太平洋地域における産学官のあらゆるレベルでのネットワークづくりに貢献した。それ以降、 「ＯＣＥＡＮＳ」は、米国外での開催について、奇数年はヨーロッパ、偶数年はアジアで行われることとな り、今回、「テクノオーシャン」との合同開催が神戸で再び実現した。 「Ｖｏｙａｇｅ ｔｏｗａｒｄ ｔｈｅ Ｆｕｔｕｒｅ（未来への航海）」をテーマに開催された「オーシ ャンズ，０８／テクノオーシャン，０８」では、環境、安全、資源の３つの分野に重点を置いた海洋の科学 技術全般に関する新しい機器、技術、システムが展示されるとともに、数多くの研究成果が発表され、多大 な成果を収めた。 そのオープニングを彩るテープカットは、９日８時45分から神戸国際展示場二号館前で行われ、矢田立郎神 戸市長、難波直愛テクノオーシャン・ネットワーク会長らが紅白のテープに鋏を入れた。 また、神戸国際会議場３階の国際会議室において９時10分から催された開会式では、矢田神戸市長が「2004 年に引き続き、オーシャンズとジョイント開催が実現したことを嬉しく思う。今回のシンポジウム・展示を 通じて、海洋関連産業・研究の発展につながることを期待している」と挨拶。また、冬柴鐵三国土交通大臣 からのビデオメッセージも紹介され、海洋関連国際コンベンションの開幕を盛り上げた。