JV代表者の所在地を県内限定に 兵庫県では、2008年度の建設工事等に係る入札・契約制度の改善取組を発表した。公正な契約手続きの確保 や健全な企業育成、品質確保の観点から取組を実施、制限付一般競争入札の適用範囲拡大をはじめ、JV代 表者所在地を県内に限定するなど、県内業者育成を目的とした建設工事に係る発注基準の見直しやダンピン グ受注の排除などに努めるとしている。 県ではこれまで、入札・契約制度の透明性や公平性、競争性の確保・向上に向け、これまで各種の改善策 を実施してきた。今年度は、厳しい財政状況の下、投資事業の重点化・効率化に取組むため、一般競争入札 の適用範囲の一層の拡大等による公正な契約手続きの確保の下、県内企業の健全育成や公共工事等の品質確 保を図るため制度改善に取組んだ。 公正な契約続きの確保では、競争性を促進させるため、4月から、制限付一般競争入札の適用範囲を拡大す る。現行では一般土木2千万円以上2・5億円未満、建築一式1億円以上4・5億円未満、電気・管2千万 円以上2・5億円未満としてた対象工事金額の下限を、一般土木で1千万円以上から、建築一式は5千万円 以上から、電気・管も1千万円以上からと、それぞれ引き下げた。 建設企業の健全な育成では、「県内企業の育成」と「不良不適格業者の排除」を重点に実施。県内企業の育 成では、受注機会の拡大を図るため、一般土木工事と建築一式工事、電気・管工事の発注基準を見直しと、 新たに橋梁上部工事の発注基準を設定した。見直しが行われたのは所在地要件で、これまで一般土木工事 (契約予定金額10億円以上15億円未満の公募型)と建築一式工事(同)において、県外も認めていたJVの 代表企業の所在地を、4月より県内限定とした。また、橋梁上部工事の公募型一般競争入札では、1千万円 以上から10億円未満は単体、10億円以上から26.6億円未満の工事と26.3億円(WTO適用)以上の工事につ いては全てJVによるものとした。一方、企業の技術力や社会貢献状況を適正に評価するため、建設工事に おける技術・社会貢献評価制度で、入札参加要件とする技術・社会貢献評価点数を7月から見直す。 公募型一般競争入札では、一般土木を現行の20点以上を30点以上に、建築一式で15点以上から20点以上に、 電気・管では新たに10点以上を設定したほか、制限付一般競争入札も新たに参加要件化するとした。さら に、災害応急対策業務での協定締結点数を4点から6点に、要請出動の六点を八点に引き上げる。障害者雇 用は、法定雇用障害者数を達成した企業は現行10点を20点に、未達成では現行4点を達成数に応じて8点、 12点に引き上げられる。このほか、新規にエコアクション21認証取得は四点を加算。また、測量・建設コン サルタント業務での指名競争において、技術・社会貢献評価点数を入札参加要件とすることを決めた。 不良不適格業者の排除の取組では、ダンピング受注防止を図るため、4月より予定金額1億円未満の工事の 最低制限価格、1億円以上の工事での調査基準価格と調査最低制限価格の算定方式を見直し、それぞれ価格 を引き上げることとした。また、低入札価格調査対象工事の受注者に対して、当該工事に配置する専任技術 者数を一名増加を義務付けるほか、測量・建設コンサルタント業務での最低制限価格の算定式を見直す。 これら最低制限価格等の見直しとともに、総合評価落札方式での加算点等の改善・充実に努め、品質確保を 図る。このほか、4月から予定価格1億円以上の建設工事案件を全て電子入札の対象とし、設計図書の電子 化を6月から実施するとしている。