近畿地方整備局港湾空港部、大阪港夢洲でターミナル、トンネル整備 大阪港湾・空港整備事務所では、大阪港と堺泉北港の特定重要港湾、重要港 湾の阪南港のほか、大阪国際空港を所管。このうち大阪港は、神戸港と連携 した「阪神港」として、国際物流機能強化を目指したスーパー中枢港湾の取 り組みを推進。その核となる夢洲では、「夢咲トンネル」と「夢洲コンテナ ターミナル」の整備が進められている。 夢洲コンテナターミナルは、大水深の耐震強化岸壁となる高規格コンテナタ ーミナルで、C−10から12の3バースを計画。このうちC−12を直轄事業と して2005年度から整備に着手している。 C−12は、水深16mのケーソン式護岸で延長400mのもの。現在では、ケーソ ン12函の設置を終え、背後ヤードとなる部分での埋立と、今後は桟橋ジャケ ットの製作・据付を予定。完成すれば既に供用しているC−10・11と併せ、 総延長1,100mのターミナルが誕生する。
この夢洲ターミナルと既存の物流拠点である咲洲を直結し、物流の大動脈の役割を担うのが夢咲トンネル。 アプローチ部となる両側の陸上トンネルと海底トンネルで構成する延長2,138mで、道路部を「臨港道路」と して直轄施工を実施している。 海底トンネルは、長さ100m、幅35.4m、高さ8.6mを標準規格とする沈埋函八函を接合して構築。工事は、 1999年から行われ、既に咲洲側アプローチ部が完了、沈埋函も昨年9月に最終函の7号函を設置し、同4日 には沈埋部の貫通式が執り行われた。 現在では、咲洲側アプローチ部と沈埋部で、内部構築工事として道路部や監査路、排水工などが実施され、 夢洲側アプローチ部では、立坑背後の鋼管矢板打設後の掘削がほぼ完了し、躯体構築に着手している。な お、トンネルの名称は、一般公募により昨年12月に決定したもの。 一方、堺泉北港では今年2月、広域防災拠点整備事業に着工した。堺泉北港2区において、増大する貨物に 対応して物流の安定化・効率化を目指すとともに、大規模地震時に海上からの輸送ルートを確保するため、 直轄事業として耐震岸壁と臨港道路を整備する。 耐震強化岸壁は、水深7.5m、延長約130m、道路は延長約1.6?の臨港道路堺北1号線として、平面部80m と279m、盛土擁壁部370mと200mのそれぞれ2か所、高架橋部473mで計画。道路は2009年度、岸壁は2010 年度の供用開始を予定している。 事業着手に際して2月9日、現地で起工式典が開催され、国土交通省の須野原豊・港湾局長や布村昭彦・近 畿地方整備局長、大阪府の小河保之・副知事らが出席して鍬入れなどが行われた。なお、1号線と接続する 臨港道路2号線、基幹的防災拠点の整備は来年度の着手を目指す。 このほか同事務所では、大阪港の南港東岸壁で多目的国際海上ターミナル整備としてケーソン2函を設置、 今後も社会情勢の変化を睨みながら事業を進めていく。また、国内線の基幹空港である大阪国際空港では、 誘導路やエプロン誘導路改修等、安全確保に向けた事業を実施している。