周辺環境への配慮など評価 （社)建築業協会（野村哲也会長）は16日、パレスホテル（東京都千代田区） で「第48回ＢＣＳ賞（建築業協会賞）表彰式」を開催した。今回は全国各地 から応募された66件の中から美術館や劇場、病院、研究施設、複合施設な ど、デザインや機能が優れ、周辺環境や街並みへの配慮、また新しい試みな どが評価され本賞14件、特別賞１件が選ばれた。 野村会長をはじめ受賞関係者ら約200名が出席した表彰式ではまず、野村会長 が挨拶に立ち、「受賞作品はいずれも、自然環境への配慮がなされており、 建築への理想と情熱には感動した」と述べ、受賞者に対しては「今後の地域 活性化への貢献を切に希望する」とした後で「社会経済の変化に伴い多種多 様化する建築ニーズに的確に応えるため、賞の理念である建築主、設計者、 施工者が三位一体となった取り組みがますます重要となる」と指摘、「今後 も建築文化の創造、継承を通じよりいっそうの社会貢献を果たしたい」と話 した。 続いて選考委員会を代表して鳴海邦碩・大阪大学大学院教授が審査報告を行 い「受賞作品が長くそれぞれの地域で個性を発揮することを期待している」 と述べた後、受賞作品が映像で紹介され、それぞれの受賞者代表に野村会長 から表彰状が手渡された。
来賓祝辞では冬柴鐵三・国土交通大臣から「総合的な評価が特徴のＢＣＳ賞は非常に意義深いもの。優れた 建築文化と技術の発展を象徴するものであり、関係者の方の研鑽に敬意を表するとともに、なお一層の努力 をお願いする」（代読＝金子善次郎国土交通大臣政務官）、また(社)日本建築学会の斎藤公男会長からは 「社会資産として優れた建築を送り込む重要性がますます高まっている。ＢＣＳ賞の時代を超えたぶれない 評価軸がますます磨かれることを願う」との祝辞が寄せられた。 最後に受賞者を代表し、挨拶した福武總一郎・直島福武美術館財団理事長は「いかに個性的で魅力的な空間 を創り出すかという熱意と努力が報われた。建築は地域や個人に象徴的で大きな夢を与えるものであり、今 後も地域の人を元気にするため、さらに精進したい」と喜びの声を述べた。 なお、表彰式終了後は懇親パーティが華やかに催された。