総合評価や調査基準価格などについて 近畿地方整備局と(社)プレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建 協、延増喬史会長)との意見交換会が1日、大阪市中央区の大阪キャッスル ホテルで開かれた。この席で、PC建協から「総合評価方式で、PC技士の 資格を技術評価に加えてほしい」といった要望が出されるなど、業界が抱え ている課題について双方活発に意見を交わした。PC建協と近畿整備局との 意見交換は、2004年以来3年ぶりのこと。
冒頭、近畿整備局の深澤淳志企画部長が「国民のニーズに応えるためには、皆さんはパートナーとして非常 に大切。対話をしながら後世に良いものを造っていかなければならない」とあいさつ。引き続いて延増会長 が、今年5月に策定したPC建協中期ビジョンや建設業界におけるPC建協の役割、優れたPC技術などに ふれながら「発足して50年間、高度経済成長や社会基盤整備の一翼を担ってきた。しかし、まだ業界として 若い。今後もさらに技術の研鑽に励みたい。3年ぶりに意見交換できることをうれしく思う」と述べた。 意見交換の個別テーマは、 ?総合評価方式について ?発注見通しの公表及び工期について ?調査基準価格について ?電子入札システムについて―の4件。 この中で、話題となったのは総合評価方式でPC建協が、「良好な品質を確保するために技術評価における 配置予定技術者の能力の評価項目として、PC技士の資格を加えてほしい」と要望。これに対して近畿整備 局は「アスファルト舗装工事でも、配置予定技術者の資格を新たに評価項目に追加した。今後、調査してP C技士も評価項目に反映できるかどうか検討したい」と答えた。深澤企画部長は「PC技士の資格を有して いる人は、どのような人なのか教えてほしい」と付け加えた。 調査基準価格については、PC建協が「調査基準価格で入札競争が激化している。また、経営が悪化してい る実態に対して、調査基準価格の方向を聞きたい」と求めた。近畿整備局が発注した昨年度の入札では、低 入札でPC業界が最も多かった。今年に入って改善されてはきているものの、近畿整備局はこの点にふれ、 「まず、低入札をなくすことが先決。なぜ、低い価格で落札しなければいけないのか、その実態や情報を提 供してほしい」と強調。深澤企画部長も「経営の悪化など、業界の具体的な姿、問題点を示してもらわなけ れば前に進まない」と答えた。 このほか総合評価方式で、PC建協が発注ロットについて「高度技術提案型(?)は発注の単位が大きく設 定されている。また、上下部一体型発注などが進められている中、今後の展開について」近畿整備局の方針 を聞いた。これに対して近畿整備局は「第2京阪道路などは、今後も総合的に判断したい」と述べた。ま た、詳細な発注見通しの公表で「配置予定技術者及び資機材の適切かつ効率的な運用を図るため、工事の詳 細が知りたい」とPC建協が求めたのに対して、近畿整備局は「工事概要は具体化してきている。私たちも 同じ思いだ。発注規模についても必要に応じて努力していきたい」と回答した。