来年6月からの条件付き一般競争全面実施に向けて …………………………………………………………… 和歌山県はこのほど、来年6月からの条件付き一般競争入札の全面実施に向けて検討していた新「業者評価 制度」(案)をとりまとめた。同制度は?不良・不適格業者の排除?工事における品質の確保?県内優良業 者の育成の観点に立ち、評価項目に大規模地震・災害時の復旧の担い手となる建設業者の重機・仮設資材の 保有状況、独禁法遵守や暴力団など排除への取り組みなどを挙げ、建設業界の健全な発展を支援し、成長す る企業を応援することを目的としているもの。 10月5日まで県民から意見募集(パブリックコメント)を実施し、11月に同制度を導入。その後、来年1月 に資格審査の受付を開始し、4月に審査結果を公表した上で、6月から実施する条件付き一般競争入札に適 用する。 今回の同制度では、入札参加資格申請で新規項目に「役員及び主要な株主等(5%以上保有)に暴力団等と の関係がないこと」「250万円を超える施工実績があること」(申請業種ごとに経営事項審査における平均完 成工事高が250万円を超えること。ただし、土木・建築一式工事以外の業種は2010年6月から適用。完成工事 高は民間工事、下請工事でも可)の2項目を盛り込んだ。 入札参加資格審査(業者評価)のコンプライアンス(地域社会の要請への適応)の観点からは ▽「独禁法の遵守体制の整備」 (30点加点) ▽「暴力団等排除への取組」 (不当要求防止責任者講習を受講した場合は30点加点) ▽「災害時等対応重機の所有」 (運転者付きのバックホウとダンプトラック所有で上限60点) ▽「災害時等緊急対応への貢献」(一工事につき土木20点加点、上限60点) など、新たに7項目を設定。 また、品質確保のための業者評価として「優秀施工者」(優秀施工者国土交通大臣表彰を受けた技術者1名 につき20点加点)も付け加えた。 ランク付けは、入札参加資格審査(業者評価)で算出した「総合点数」で決定。土木一式工事は四区分 (A・B・C・D)、建築一式・電気・管工事は3区分(A・B・C)とする。格付けは六カ月ごとに見直 し、ランクダウンは随時実施。不正及び不適格行為による処分として、外注費比率・技術者や営業所実態で 不正が明らかになると格付けの一時取消、著しく工事成績が低い場合や施工体制Gメンで指摘を受けた場合 などはランクダウンさせる。 また、公共工事で現場ごとに専任を求められる技術者(2,500万円以上の工事)が複数の工事の技術者となれ ば建設業法違反となるため、こうした行為に厳格に対処するために県工事の入札参加者に対して市町村発注 工事を受注した場合でも、「工事実績情報システム登録」を義務づけ、専任技術者の重複の有無を確認し、 技術者重複による受注防止に努めるとしている。