□□□ 淀川水系河川整備計画原案 □□□ 近畿整備局はこのほど、淀川水系河川整備計画原案を発表した。 この中で事業中の5ダムついて、当面実施しないとしていた大戸川ダム(穴あきダム)として整備する方針 を示し、継続としていた丹生ダム、天ヶ瀬ダム再開発、川上ダムも原案に盛り込んだ。 当面実施しないとしていた余野川ダムは、見送る方針。 この原案は年内をメドに学識経験者、関係住民、関係自治体の長から意見を聞いた上、淀川水系流域委員会 (宮本博司委員長)で検討され案を作成。 これを受けて近畿整備局が今年度内を目標に河川整備計画を策定する予定。 近畿整備局は、河川整備計画の策定にあったって、2年前に関係府県や利水者と協議・調整するための「た たき台」として5つのダムの方針を明らかにし、大戸川ダムと余野川ダムについては当面実施しない案を示 していた。 今回の原案は、これまで各河川で発生した戦後最大の洪水をもとに、こうした洪水被害を生じさせないよう 上下流、本支川間のバランスに基づく治水対策としてまとめたもの。 具体的に実施の方針を示した大戸川ダムは、整備により治水安全度の低い大戸川流域で戦後最大である昭和 28年台風3号洪水による浸水被害の軽減が可能になるとして凍結を解除した。 これまでは治水、利水、発電を目的とした多目的ダムとして事業を行ってきたが、需要が見込めない利水・ 発電から撤退し、洪水調節目的専用の流水型ダム(穴あきダム)として整備する方針。 木津川の川上ダムは、昭和28年台風13号が再来した場合、岩倉峡への流入量を現況以上に抑えるために 完成させたい考え。 さらに宇治川で事業中の天ヶ瀬ダム再開発事業は、放流能力を増強させるため引き続き実施が必要との見解 を示し、丹生ダムについてはダム形式の最適案を総合的に評価し確定するために調査・検討するとしてい る。