神戸製鋼・伊藤忠・日建設計グループに 落札価格1023億7815万円 神戸市がPFI事業で実施する「神戸市立中央市民病院整備運営事業」の落札 者に神戸製鋼を代表企業とするグループが決定した。
落札金額は1023億7815万円(予定価格1023億8千万円)で、S造地下1階地上9階建て施設面積 8万2、802・78平方?の施設を整備、施設整備後に所有権を市に移転し、事業期間中に維持管理業務等 を行うBTO方式。12月に事業契約を締結する。 落札者となったのは、代表企業に神戸製鋼所、構成員を伊藤忠商事と日建設計とするグループ。入札は総合評 価一般競争入札(WTOルール)で8月10日に開札され、審査委員会が提案による事業計画などの定性的評 価と入札価格による定量的評価に基づき同グループを選定した。 業務範囲は、統括マネジメントはじめ施設設計・建設、施設維持管理、医療情報システム構築・運営、物流管 理運営、顧客サービス、医療関連サービス、移行支援の各業務。今月中に基本協定を、12月に事業契約を締 結し、病院施設は平成22年度内に完成させ、同23年春から同53年春までを事業期間として維持管理・運 営業務を行う。 同グループの提案による施設は、S造(免震構造)地下1階地上9階建て塔屋1階、施設面積は病院施設6万 3、927・15平方?、院内保育所757・09平方?、駐車場等1万8、118・54平方?の計8万 2、802・78平方?の規模。 施設計画では病棟を敷地中央に配し、駐車場を地下及び立体式とし、病棟周囲にまとまった広さの屋外災害時 活動スペースやオープンスペース等を確保。災害時の医療対応として平常時の病床640床に加え、約300 人の受け入れ可能な増床対応など、要求水準を超える提案がなされている。 また、高い個室率の計画や個室への転換が容易な四床室など独創的な提案やスケルトンインフィル、柱の少な いロングスパン構造、2重床及び外部化した設備シャフト等、将来的な改修や維持管理にも有効な計画となっ ている。 さらに、地震対策としての免震構造、不同沈下や液状化対策の埋立地地盤に適した耐震性の高い基礎構造採用 などのほか、CASBEEでの最高ランク「S」を目指した提案、コージェネレーションシステムや氷蓄熱空 調システムなど、環境に配慮した提案が評価された。 この事業は、ポートアイアイランドの現病院(昭和56年開設)の老朽化の解消と、より高度な医療サービス の提供を図るために、ポーアイ2期地区で整備が進む神戸市医療産業都市構想エリアの先端医療センター北側 の敷地約4万5、000平方?に移転、建替えを行うもの。 事業化にあたり神戸市では、昨年8月に実施方針を発表、その後、市が自ら事業を実施した場合とPFI方式 の場合との財政負担額の比較を行い、PFI方式では約8%の削減効果が見込まれることからPFIの特定事 業に選定し、11月に入札公告を行ったもの。 なお、提案応募には同グループほか1グループの応募があったが、入札辞退により同グループのみの入札とな った。