来年5月着工へ 京都市はこのほど、PFIを導入して建設する「伏見区総合庁舎整備事業」 の落札者に、(株)藤井組(京都市伏見区)を代表企業とするグループ(構 成員は増田組、三菱UFJリース、松田平田設計大阪事務所、高松伸建築設 計事務所、太平ビルサービス、近建ビル管理)に決めた。落札金額は64億 4,517万9,258円(税込み)。
今後、市は10月に同グループと事業契約を締結し、来年5月に着工。2009年10月の新庁舎竣工、2010年1月 の供用開始を目指す。事業方式はBTO方式。政令指定都市の区庁舎でPFIを採用するのは、今回が初め て。 伏見区総合庁舎整備事業は、伏見区役所の老朽化に伴って、分散している機能を集約し総合庁舎に建て替え るもの。落札者決定に当たっては、昨年12月に事業者(グループ)との契約締結を予定していたが、構成員 一社の不祥事(社員が競争入札妨害の容疑で逮捕)が発覚し、契約を白紙にしていた。今回は総合評価一般 競争入札で再公募し、4月24日に入札を実施。2グループの応募の中から同事業提案審査委員会(委員長・ 橋爪紳也大阪市立大学教授)の審査を経て藤井組グループに決定したもの。 提案施設の規模は、鉄骨鉄筋コンクリート造地上4階建て、建築面積約4,200?、延べ床面積約1万4,700 ?、建物高さ約19.5m。区役所(福祉事務所、保健所を含む)のほか、青少年活動センターや市民交流スペ ース(区民ホール、区民利用の会議室など)、来客用駐車場50台を設置。建設地は伏見区役所北側に隣接す る宝酒造伏見工場東地区の約7,150?と現区役所約500?を合わせた約7,650?。 同グループの提案では、伏見ならではの「酒蔵」のイメージを取り入れた庁舎デザインや水の存在のアピー ルを高く評価。酒蔵の意匠を構成する「板壁と白壁」の表現による外観、エントランスでの水路、建物内で の水盤の設置などで、酒どころ、名水を連想させる伏見の「水」を表現しているという。また、環境先進区 として、自然採光による空間の明るさ、太陽光発電、自然換気などの自然エネルギーに加え、雨水や井水を 活用。西側・北側沿道の緑化や屋上・駐車場の緑化なども緑あふれる空間を確保している。 施設としては、コンサートや講習会などのイベントスペースとして利用できる多目的ホール、会議室、伏見 の観光・歴史・産業などの情報発信スペースとなる区民ロビーを設置。さらには実施設計に市民意見を反映 させているほか、市民交流スペース運営への市民参加などにより、伏見区の地域拠点となる総合庁舎の実現 を目指している。