同港初の水深12m岸壁 国土交通省並びに兵庫県が整備を進めている「尼崎西宮芦屋港多目的国際タ ーミナル」がこのほど概成し、16日に尼崎地区の同岸壁で供用開始式が開催 された。阪神地域の物流量増加に対応する施設となるもので、式典には冬柴 鐵三国土交通大臣、井戸敏三知事はじめ来賓、地元関係者ら約80名が出席、 テープカットなどが行われ、供用開始を祝い合った。 11時から行われた供用開始式では、初めに主催者を代表して布村明彦・近畿 地方整備局長と井戸知事が式辞を述べた。布村局長は、尼崎地区は道路ネッ トワークの形成により企業立地が進み、多様な物流ニーズに対応した機能整 備が求められるとし、「このターミナルは地区の中でも最大の規模を有し、 周辺地区での産業立地に寄与するとともに、地域経済の牽引車となる」と挨 拶。井戸知事は、環境の時代であり、物流は海上輸送への転換が指摘されて いるとし、「このターミナルの誕生により二酸化炭素の排出抑制が期待でき る」と述べ、県が推進する尼崎21世紀の森構想と共に、「県の東の玄関口と して尼崎の物流機能や企業活動の活性化に期待する」と喜んだ。
引き続き挨拶に立った冬柴大臣は、物流の98%は海上であり、「安全な海上輸送体系の構築は我が国の生命 線で、拠点となる港湾機能強化は喫緊の課題だ」とし、ターミナルの供用について、「大阪湾の中央に位置 し臨海部の経済活動を支える拠点として、また大阪湾全体の機能強化に寄与してほしい」と期待を寄せた。 次いで、尼崎市の白井文市長らが祝辞を述べた後、テープカットが行われた。テープカットでは、冬柴大臣 はじめ国交相と兵庫県、地元代表者らが紅白のテープにハサミを入れるとクス玉が開披され、見守っていた 出席者から大きな拍手が湧き起こった。 尼崎西宮芦屋港尼崎地区多目的国際ターミナル(東海岸町沖四号岸壁)は、同港では初めてとなる水深12m 岸壁として、3万トン級船舶への対応を可能としたもの。今回概成したのは一バース延長240m、エプロン幅 20mのもの。計画では、工事中の耐震強化岸壁との連続二バースとし、埠頭用地や航路泊地などを整備す る。 同地区は、フェニックス事業用地を活用したもので、地区にはダイハツ工業(株)の尼崎物流センターが進 出しており、今回の初荷では、同社の自動車が積み込まれた。