京都の玄関口、京都タワーが全面リニューアル―。JR京都駅前の京都タワ ーのリニューアルが完了し27日、スカイラウンジ「空(くう)」がグランド オープンする。展望室やタワー塔体壁面の化粧直しを含めた1964年の開業以 来、初めての全面リニューアルとなる。 1964年12月に誕生した京都タワーは高さ131m。建物一階から十階は京都タワ ーホテルで、タワー部分の総重量は約800トン。今回のリニューアルでは総額 3億5千万円を投じ、昨年9月に着工、11階のスカイギャラリー、12階の男 女化粧室新設、13階の展望レストラン(スカイラウンジ「空」新設)、外部 塔体塗装塗替え(吊足場による塗装工事)、14階から15階の展望室の内装、 外部塗装、その他工事を実施した。設計・施工は大林組。 スカイラウンジ空は、観光客や修学旅行生を中心に軽食を提供してきた展望 レストランを閉店し、京都市内を一望できるレストランとして一新したもの で、ブルーを基調とした落ち着きのある空間をコンセプトに、ホテル仕様の 料理を提供する全64席。シンボルマークは清水寺の森清範貫主の揮毫による もので、タンブラーなどにも使用している。スカイラウンジの営業時間はラ ンチ・ティーが11時から17時、ディナー・カクテルが23時30分。
京都タワー(株)の森澤展裕社長はグランドオープンにあたり「タワーとホテルの融合で他社との差別化を 図り、仏教用語である空(くう)が表す意味、数学のゼロのようにタワーが京都観光の中心点となれば」と 意気込みを語った。同社ではスカイラウンジの年間売上1億5千万円、タワー来場者数50万人を見込んでお り、「一時は38万人まで落ち込んだが、いま人気の東京タワーをはじめ、通天閣など各地のタワーが元気を 取り戻しつつあり、昨年度年間入場者数は45万人を数えた」という。京都への観光客の約1割が来場した計 算となり、京都観光客5,000万人構想も近く実現できると考えている同社では「目標の50万人は、ぜひ達成し たい」としている なお、リニューアルオープンを記念し、写真家の中川邦昭氏監修による「写真で見る明治の京都展」をタワ ー11階のスカイギャラリーで5月27日まで開催している。時間は9時から21時まで。入場無料。