新規に和歌山岬道路の調査・設計など 近畿地方整備局はこ，のほど、2006年度予算の概要を発表した。直轄事業費は4121億3600万円（前年度比１・ ０％増）、補助事業費は9561億4600万円（同5.0％減）で、直轄と補助を合わせた総額は１兆3682億8,200万円 （同3.0％減）となった。新規事業は第二阪和国道（和歌山岬道路）や一般国道27号西舞鶴道路の調査・設計 に着手するほか、和歌山下津港（北港地区）航路・泊地整備を進める。また、阪神港のスーパー中枢港湾プロ ジェクトを促進させるなど、国際競争力の強化や防災に重点を置いているのが特徴。 直轄事業の内訳は、治水778億4,500万円、海岸５億9,900万円、道路整備2,734億8,400万円、港湾353億4,100 万円、都市公園33億9,100万円、官庁営繕26億5,500万円、空港17億8,900万円、その他170億3,200万円。予算 に盛り込まれた主な直轄事業は次のとおり。
【河川関係】 高規格堤防整備事業は、特に淀川・大和川に挟まれた大阪の中枢部の防御を重点的に実施。都市再生プロジェ クト関連の阪神高速道路大和川線地区、淀川左岸の海老江、高見地区などを関係機関と連携して推進する。草 津川放水路事業（2002年６月に暫定通水）は、田中新橋架替え及び交差道路の整備を実施。上野遊水地事業 （周囲堤は2003年度に概成）も、長田排水門の工事などを促進させ、浸水被害の低減を図る。 大和川改修 は、河口部の河道掘削や国分地区の用地買収などを推進。また、大和川・猪名川総合治水対策特定河川改修で は、佐保川で今年度の供用開始を目指して稗田橋の架替えと築堤など、富雄川も掘削や護岸工事、さらに猪名 川では絹延橋の架け替えや護岸工事などをそれぞれ推し進め、集中的な事業展開を図る。地すべり対策として は、砂防事業として新規に六甲砂防三の谷えん堤群整備に9,200万円を計上。亀の瀬地すべり対策も、国内最 大級の深礎工の最後の一基を今年度に完成させる。 このほか河川整備計画策定で、流域委員会や住民の意見を反映させた淀川水系などの促進、河川堤防の詳細点 検の実施、八軒家浜（大阪府）の船着場や七瀬川（京都市）の流入工、一条谷川（福井県）の掘削・護岸築造 など継続事業を促進させる。
【道路関係】 新規事業に第２阪和国道（和歌山岬道路、延長7.2?）に１億円、一般国道27号西舞鶴道路（同4.9?）に５千 万円を盛り込み、調査・設計に着手。東播丹波連絡道路（西脇バイパス、同2.1?）も１億円を計上し、今年 度から改良工事を進める。 今年度に開通予定の高規格幹線道路は、京都縦貫自動車道の丹波綾部道路（綾部市安国寺町から船井郡京丹波 町才原間7.7?）と和歌山県の那智勝浦道路（新宮市三輪崎から東牟婁郡那智勝浦町川関間8.9?）。また、一 般国道１号で昨年12月に新桜宮橋に交通を切り替えて暫定四車線で開通した桜宮拡幅工事は、現在、現桜宮橋 の橋梁補修工事を実施しており、暫定供用中の延長0.5?を今年度に完成六車線で開通させる予定。高規格幹 線道路の整備促進は、京奈和自動車道に350億８千万円、北近畿豊岡自動車道に80億1,500万円、京都縦貫自動 車道に182億3,600万円を投入する。
【営繕関係】 大阪第１地方合同庁舎、大阪第２地方合同庁舎、大阪港湾合同庁舎などの耐震対策、奈良第２地方合同庁舎他 の既存施設グリーン改修整備、堺港湾合同庁舎や御坊法務総合庁舎などのバリアフリー化改修整備を推進。
【港湾空港関係】 新規事業として、和歌山下津港（北港地区）航路・泊地整備事業（面積18ha、水深14ｍ）に５億円、舞鶴港 （前島地区）複合一貫輸送ターミナル改良事業（既存施設を水深９ｍに増深改良）に１億５千万円を計上し た。 国際競争力強化の重要施策として力を入れている阪神港スーパー中枢港湾プロジェクトでは、世界トップクラ スのコスト・スピード・サービス水準を実現するため、神戸港・大阪港で大水深岸壁（マイナス16ｍ）を備え た次世代高規格コンテナターミナルを整備。今年度は岸壁本体の工事を進める。大阪港夢洲トンネルの整備 （咲洲から夢洲間約2.1?、うち海底部800ｍ）は、海底トンネル部及び夢洲側アプローチ部などの整備促進 （近畿整備局・臨港道路、大阪市・臨港鉄道）を図る。さらには地震・津波・高潮対策の重点的・効率的な推 進、空港の耐震対策などを実施する。