精霊の遊戯を写真や実物で紹介 ＩＮＡＸギャラリー大阪（大阪市中央区久太郎町４−１）は、３月からの企画展として 「世界あやとり紀行展 精霊の遊戯 」を開催している。会期は５月25日まで、入場無 料。日本独自の伝承遊戯と思われがちな「あやとり」だが、実は世界中に、特にアフリ カやオセアニア、極北圏、北南米大陸の文字を持たない社会で親しまれていた。その調 査研究によると、西欧で19世紀から始まり、現在では日本あやとり協会を前身とする国 際あやとり協会（ＩＳＦＡ）が中心となり、これまでに３千種以上のあやとりが採集さ れてきた。
今回の企画展では、地域社会で受け継がれる知恵や知識など多彩な要素が織り込まれたあやとりの世界を紹介 し、一本の紐から驚くほど豊かなイメージが繰り広げられる宇宙を紹介している。 会場では、世界中に分布する「あやとり」の世界地図を導入し、エリアごとに現地の人々があやとりをする臨 場感あふれる様子と、地域で伝えられる様々なあやとりを各30点ほど写真や実物で紹介。またカナダ、アラス カなどの極北圏で採集されたあやとり唄なども映像と合わせて見ることができる。そのほか、それぞれ生活文 化との関わりも解説文で説明。学術的にも貴重なあやとりの文献類も展示している。 同ギャラリーでは、来場者が造形の面白さとともに、あやとりを通して人々の暮らしや世界観を読み取っても らえればとしている。 なお、会期中の４月20日（金）には早稲田大学名誉教授で、国際あやとり協会編集顧問の野口廣氏を講師に迎 え、トーク＆ミニワークショップ「世界のあやとり〜暮らしと造形の不思議〜」が開催される。参加申し込み 等の詳細はＩＮＡＸギャラリー大阪（電話06−6733−1790）まで。