1・2級の126人が挑戦 関西鉄筋工業協同組合(田村春雄理事長)は2日から4日までの3日間にわたり、大阪府摂津市のポリテクセ ンター関西で「2006年度後期・鉄筋施工技能検定実技試験」を実施した。この試験は厚生労働省が認定する国 家試験として、同組合が大阪府能力開発協会の委託を受けて1971年度から毎年行っているもので、合格者には 1級・2級技能士の資格が与えられる。 今回は3日間で1級が115人、2級が11人の合計126人(昨年は146人)が受検し、それぞれ合格めざして実技 試験にチャレンジした。 このうち、試験初日となる2日午前には1級の24人が受検。試験要領や材料点検に続いて、10時30分から試験 がスタートした。試験内容は、曲げ加工をした鉄筋を使用し、図面及び仕様に従い基礎、柱及び梁の取合部の 鉄筋の組立を行うもので、各受検者は標準時間の1時間40分(延長は30分まで)の中で、日頃使い慣れたハッ カを用いて手際よく作業を進めていった。ちなみに、1級の試験では太さや長さの違う十数種類に及ぶ鉄筋が 使用される(総重量は約200?)。 これに対し、山下晋治・首席検定委員をはじめとする14人の検定委員は、作業手順や材料の鉄筋の適切な使い 方、そして組立てが終わった作品の仕上がり精度や寸法の正確さなどを厳正にチェックし、採点していた。 また、当日は組合の田村理事長とともに、元請から鹿島建設?関西支店建築部建築工事管理グループの所宏行 課長、清水建設?大阪支店建築部の田中利夫工事主任も試験会場を訪れ、受検者を激励した。 所課長、田中工事主任ともに実技試験を見るのは初めてとのことで、それぞれ「建物の基礎となる鉄筋の組立 てがしっかりしていれば後の工事も含め、全体の工程の流れがスムーズになる。その意味でも鉄筋工事の役割 は大きい。検定試験は我々元請にとっても心強い」(所課長)、「鉄筋は建物が完成すれば外からは見えなく なるが、10年先、20年先に不具合が発生しないようにするためにも高い品質が求められる。確かな技術を持っ た職人を育成する検定試験は良いこと」(田中工事主任)とコメントを寄せた。このほか、検定最終日の4日 には(株)大林組本店建築工事第一部品質検査グループの青木昭典グループ長と福江隆宏主任、清水建設?大 阪支店建築部の佐藤富士男工事長も見学に訪れた。 また、今回の試験について山下首席検定委員は「実技は練習してきた人や講習を受けた人は手際良く進むが、 何もしなかった人はやはり遅い。合格するためには、学科も含めて事前に勉強しておくことが大事。また、こ うして努力して1級や2級の資格を取った人には、賃金など待遇面でもそれなりの評価をしてほしい」と話し ている。 なお、実技試験の合格者の発表は、1月28日に実施された学科試験の結果と同じく3月13日に行われる。