京都市都市計画局は全国で初めて、京町家ならではの特徴を生かした耐震対策を図るため高層ビルの構造計算 で使用される「限界耐力計算法」を応用した京町家向け耐震診断手法を建築構造士の専門集団である(社)日 本建築構造技術者協会の検証を経て開発し、同手法を用いた耐震診断士の育成を2007年度上半期から、また派 遣を同年度下半期から実施する。 歴史都市・京都では建築物の高さ規制やデザイン基準、屋外広告物規制等の見直しに加えて京町家に代表され る伝統的で歴史的な建造物を将来にわたって保全・再生する必要があり、同市では1972年に特別保全修景地区 で伝統的建造物の修理助成を開始して以来、京町家の新築・改築を可能とする防火条例の制定、京町家再生賃 貸住宅制度の創設など保存・再生事業に取り組んできたが、新たに京町家を地震から守るために新制度を創設 した。 また、京町家耐震診断を実施した改修の必要性が判明した場合に適用できる「京町家耐震改修助成制度」を新 設した。同制度の対象は1950年以前に建築された京町家(伝統的木造軸組工法)で、補助額は90万円/戸(限 度額)である。