繊維業界に革命をもたらす、ものづくり名人 片山商店・片山象三 社長が熱弁 龍谷大学の龍谷エクステンションセンターは同志社大学と共同で22日、産官 学連携事業推進の一環として、東大阪市のクリエイションコア東大阪で「第3 回同志社大学×龍谷大学ジョイントセミナー」を開いた。 今回は、?産学連携による製造技術革新?をテーマに、第1部で昨年8月に第 1回ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞を受賞した?片山商店(兵庫県西脇市 西脇1130-6)の片山象三社長が、国内繊維産業の復活を目指す世界初の「多品 種小ロット織物生産システム」について講演。 第2部として同志社大学工学部電気工学科の石原好之教授が「電気機器におけ るバーチャルエンジニアリング」について、龍谷大学理工学部物質科学科の藤 原学教授が「X線を用いた機器分析 困難への挑戦 」についてそれぞれ研究 シーズを発表した。
【写真上】:講演する片山社長
【写真下】:片山象三社長
ものづくり名人・片山社長は、多品種小ロット織物生産システムで、世界初のアレンジワインダーの開発と先 染織物への展開を紹介。 この中で、青い柄と赤い柄を一度に生産できる世界初の複数柄同時生産システムの開発により生産コストを3 9〜81%、原材料ロスを66〜87%それぞれダウンできること、また、技術的な課題・ボルトネックで京 都工芸繊維大学との連携により材料・繊維糸の特性を初めて理論付けたこと、さらに世界初の斜め織織機開発 (コア企業・桑村繊維?)が近畿経済産業局の平成18年度新連携事業に認定されたことなど、繊維産業界に 次々に革命を起こしている事例を詳しく紹介し、「繊維業界の中間流通コストは30%のロスで、経営を圧迫 している。 処分ロスをなくすことにより、中間流通は排除できる。中国にも対抗できるコストダウンが可能だ」と熱弁。 こ の新しいビジネス展開は、「ファッション界の常識を変えるもの」と旋風を巻き起こしており、繊維業界も注 目している。 この後、研究シーズを発表した同志社大学の石原教授、龍谷大学の藤原教授の研究成果にも熱心に耳を傾け、 産学連携の実用化を探った。さらには交流親睦会や両大学の研究・技術を紹介したポスターの展示を行い、出 席者一同、産学の交流を深めた。