優秀施工改善事例を発表 清水建設（株）近畿兼喜会・四国兼喜会の主催による「第19回インプルーブＫ ＡＮＥＫＩ21」が20日、大阪市西区の大阪ＹＭＣＡ会館で開催された（後援・ 清水建設関西事業本部）。各現場で提案された施工改善事例のうち優秀賞事例 を発表するもので、会員各社から約500人が参加し、事例発表と表彰式などが 行われた。 ※写真＝約500人が参加したインプルーブ
大会では、初めに主催者を代表して近畿兼喜会の北浦年一会長が挨拶。北浦会長は、現場の改善には終わりは ないとし、「将来を見据え知恵を出し合いながら改善していかなければならない。清水建設と兼喜会の元下一 体となり、どう生きていくかを考え後世に残していくことが我々の使命だ」と述べ、今後一層の取り組みを呼 びかけた。 来賓祝辞では、清水建設専務執行役員の小橋鴻三・関西事業本部長が、仕事のやり方が変化する中、「専門工 などが減る中ではやり方を変えて仕事をこなさなければばらない。我々と一緒に協力して他社が真似の出来な い技術をつくり上げていこう」と改善へのさらなる努力を要請した。 この後、近畿と四国の各支店と営業所管内の施工現場から寄せられた485件の提案のうちｍ優秀賞に選ばれた 七件の事例発表と各受賞者に対する表彰式、近畿兼喜会青年部の下川祐司部長による「青年部の主張！今こそ 本音で」などが行われた。 優秀事例は次の通り。 ▽生コン車荒い水処理の改善＝（株）落合組、（株）名和 ▽有限要素法による型枠支保工早期解体工法＝（株）フォービル ▽耐震スリット流れ防止対策＝吉留建設（株） ▽袖壁、マリオン型枠の施工金物製作＝ひだか建設（株） ▽鉄骨トラス梁地組の提案＝（株）籠谷鉄工所 ▽板金笠木ジョイントの改善＝（株）中島工業 ▽塩ビ管のＴＳ接続工具の改善＝西川設備工業（株） 〜マンネリ防ぐ青年部の主張〜 ところで今回行われた青年部の発表は、例年の寸劇ではなく「主張」として下川部長が約30分間にわたり「本 音」で語ったもの。当初は寸劇を予定していたが、自己満足ではないかなどと悩み、北浦会長とも相談した上 で、「本音で我々青年部の思いを話すことで何らかの起爆剤になれば」との思いから実現した。 主張の中では、インプルーブに対するマンネリ化や提案に対する各支店の温度差、提案件数の数合わせ等々、 「このままでは大会そのものにも影響するのでは」と懸念を示し、第１回大会で謳われた開催趣旨を今一度思 い返し、「当初の気持ちをもう一度復活させ、次の大会を迎えたい」とし、マンネリ防止のためにテーマをひ とつに絞り、「本音で意見を出し合っては」と問いかけ、「発表事例も大切に育てていかねば」とした。 また、大会を支える青年部のメンバーもここ数十年で半減したとしながら、「青年部は自分を磨く場所であ り、今後も大会とともに活動を継続したい」と語り、仕事においても「若い目から見た提案や作品をつくりた いが、それらが活かされ、現場に反映されるのか正直、知りたいし教えてほしい」と心情を吐露した。 さらに清水建設と兼喜会の関係について、「車の両輪ではなく親子。血の繋がった、心と心の関係で取替えの きかない一生の関係だ」と強調。専門工事における後継者や職人の育成とからめ「良い人材を育てるために一 緒に変わっていかねば」と話し、「来年の20回は通過点。親子愛を受け継ぎ50回、100回と継続していくこと を願う」と締めくくった。