1・2級の83人が挑戦 合格めざして真剣に 近畿建設躯体工業協同組合(山本正憲理事長)は8日と9日の二日間にわた り、兵庫県三田市の三田建設技能研修センターで厚生労働省が認定する国家検 定の「平成18年度とび技能検定実技試験」を実施した。 今回は2日間で1級が72人、2級が11人の合計83人(昨年は99人)が受験し、 真夏の太陽が照りつける中、晴れの合格をめざして各課題に取り組んでいた。
【写真】「小屋組立」作業に取り組む受験者 このうち、8日の午前の部には1級が24人、2級が5人の合わせて29人が受験。組合の山本理事長も試験会場 を訪れ、受験者を激励した。その実技試験は「小屋組立」からスタート。所属会社のヘルメットを被り、作業 服にゼッケン(1級は青、2級は赤)を付けた受験者は、設計図を見ながら、長さの異なる数種類の鋼管パイ プを使って、1時間30分の標準時間(延長は20分まで)の中で手際よく組立作業を進めていった。 そして「小屋組立」を終えた受験者は、引き続きコンクリート片やH型鋼管など重さの異なる三種類の建築資 材を目測する「重量物目測」と、コロを使って建築資材を移動させる「重量物運搬」(1級のみ)の課題に取 り組んだ。 これに対し、組合の副理事長で建築部会長でもある山岡丈人・検定委員長ら12人の検定委員は、各課題につい て作業手順や工具の使い方、組上がった小屋の寸法や角度の正確さ、さらに作業態度に至るまで、終始厳しい 目で採点していた。また、今回の実技試験でもこれまでと同様に、熱中症予防のために受験者と検定委員全員 に防暑たれ(ネックガード)を配布してヘルメツトに取り付けるとともに、休憩時間を設けたり、飲み水や塩 を用意するなど真夏の暑さ対策にも万全が期された。 なお、今回の実技試験の合格者の発表は、8月20日に実施される学科試験の結果と同じく10月3日に行われ る。 山岡検定委員長の話=優秀な職人の不足は技能の質の低下にも繋がるもの。そうした中で基幹技能者に対する 認識も高まってきており、基幹技能者の条件でもある1・2級の有資格者が賃金などでも正当に評価され、専 門工事業が安定して働ける職業にならなければいけないと思う。