八尾市・大阪竜華都市拠点地区、「賑わいと協創のまちづくり」を目指して 八尾市龍華町1丁目のJR久宝寺駅前に広がる大阪竜華都市拠点地区の中心地、竜華地区商業複合用地約 1.8haに西日本で最大級のツインビルが建設される。市が「賑わいと協創のまちづくり」と定めた基本方針に 沿って、市土地開発公社が旧国鉄竜華操車場跡地を先行取得していた土地を対象に実施した事業提案募集で、 買受希望価格84億8千万円を提示して優先交渉権に決まった住友不動産(株)を代表とする関西電力(株)や 関電不動産(株)のグループが、42階建てと45階建て二棟、高さ約150m、延べ床面積約19万5,000?を誇る超 高層ビルを建設するもの。2棟合わせて分譲住宅1,480戸を供給するほか、スーパーマーケットや店舗、駐車 場を完備する。市は9月議会に上程し、同グループと本契約を締結。5年以内でビルを完成させたい考えだ。 市の西部地域に位置する大阪竜華都市拠点地区は、JR関西本線久宝寺駅に隣接した旧国鉄竜華操車場跡地と 大規模工場跡地などを主とした区域24.6ha(八尾市北亀井町2、3、龍華町1、2の各1部)。複合都市機能 を備えた大阪府東部の新たな都市拠点の形成を図ることを目的に旧住宅・都市整備公団(現都市再生機構)が 大阪府や八尾市から要請を受け、「大阪竜華都市拠点中心土地区画整理事業」を1997年9月の事業計画認可を 得て実施。今年1月に換地処分公告により事業が完了、3月には竣工記念式典が盛大に催された。 同地区では、1997年7月に久宝寺駅橋上化が完成、2004年5月に八尾市立病院が開院。現在、2009年度末の完 成を目指し府の大規模な下水処理場「竜華水みらいセンター」の工事が行われているほか、高層の民間マンシ ョンなど、商業・業務施設の集積による土地利用転換で都市機能の更新が進んでいる。 超高層ビルが建設されるのはJR久宝寺駅と八尾市立病院に隣接した八尾市龍華町1丁目地内。市が竜華地区 商業複合用地活用事業の中心地区に据え、民間活力の活用による「賑わいと協創のまちづくり」を目指して、 民間から事業提案を募った。これに多くの事業者が関心を示し、今年5月10日から12日の間に10者が応募(う ち七応募者がグループ申込み、計22企業)。この中から六者を提案合格者とし、開札の結果、買受希望価格84 億8千万円を提示した住友不動産(株)、関西電力(株)、関電不動産(株)をグループとする企業に売却を 決めた。 市の最低制限価格は48億3千万円だった。買受希望価格がこの額を大きく上回ったことについて市は、「土地 の評価額を算定して設定した。大阪市に近いという好立地が高く評価されたものと思っている」と語ってい る。JR久宝寺駅から天王寺駅まで急行でわずか五分。また、2011年度末には、大阪外環状線が全線開通の予 定でJR久宝寺駅と新大阪駅を直結する。また、景気回復によりマンション建設などの需要環境が好転してい ることも大きな要因に挙げられそうだ。 計画のコンセプトは竜華地区の黎明「久宝寺新都市創造」、八尾市西部の新たなランドマーク、そして普遍の 活力源として、周辺と調和し都市景観を一変させる商・住複合施設「久宝寺ツインタワー」としている。西側 のビル(42階建て)には、1から2階にスーパーと店舗、3から4階に駐車場、五階以上に住宅を設ける。東 側のビル(45階建て)には、すべて住宅を配置する予定。