近畿地方整備局の社会実験に高い評価 近畿地方整備局大阪国道事務所はこのほど、御堂筋で実施した「光とにぎわい のある夜間景観社会実験」の結果をまとめた。この社会実験は、御堂筋を夜で も安心して歩け、にぎわいのある歩道空間とするために昨年11月7日から12月 31日までの8週間(銀杏の緑葉期 黄葉期 落葉期)、御堂筋の3か所を対象 に行ったもの。市民アンケートの結果、安全や明るさなどについて、高い評価 が得られたとしており、今後、さらに市民の意見を参考にしながら歩道照明の 計画を立案する方針だ。
【写真:美しい照明で夜でも銀杏や彫刻が鮮やかに...】 実験では、仮設の歩道照明を設置し、「歩道の明るさ、演色性(色が自然光と同じように見える性質)の向 上」、「銀杏、彫刻、建物へのスポット照明により、にぎわいのある空間の演出」を試行した。 まず、歩道の明るさと演色性では、既存の歩道照明が高い位置にあるため、銀杏の葉に遮られて路面まで光り が届かなかったことから、実験では位置を下げ下方配光にすることにより明るさを向上させた。これによって 明るさが普段よりも2.4から4.7倍にアップし、アンケート調査では「安全」「明るい」と高い評価を得た。ま た、演色性についても高演色のランプに変更したことにより、「肌や洋服の色がきれいに見える」と好印象を 得た(実験前3.2→実験中4.1に向上)。にぎわいのある空間の演出では、鉛直面の輝度を向上させ、週ごとに フィルターの色を変色させることにより、夜間の歩道空間のにぎわいを演出した。実験の結果、「銀杏や彫刻 がよく見える」「美しい」と感じる人が多く、彫刻では白色(フィルターなし)や黄色の照明色に人気が集ま った。 このほか銀杏にスポット照明をあて、週ごとにフィルターの色を変化させた実験では、緑葉期は黄色、黄葉期 は白色(フィルターなし)に、また、彫刻(御堂筋に27体設置)の演出では存在感を際立たせるために歩道面 照度より明るい(200ルックス、約10倍)スポット照明を設置した結果、白色(フィルターなし)の照明色が それぞれ高い評価を得た。