国交省ら出席し供用開始式典 国土交通省が整備を進めていた「堺泉北港多目的国際ターミナル(助松埠頭九 号岸壁)」がこのほど完成し、供用を開始した。コンテナ貨物の大型化に対応 した大水深の耐震強化岸壁で、1996度から国土交通省の直轄事業として工事が 進められていたもの。先月29日には、北側一雄・国土交通大臣らが出席して供 用開始式典が行われた。堺泉北港は、1969年に堺港と泉北港が統合して整備さ れ、大阪府を管理者とする国の特定重要港湾で、大阪港に隣接する広域港湾と して大阪湾ベイエリアの一翼を担う物流拠点としての役割を担っている。
【写真上:北側大臣らによるテープカット】
【写真下:挨拶する北側大臣】 《延長300m、水深マイナス14m大水深耐震強化岸壁》
このうち、多目的国際ターミナルとなる助松埠頭九号岸壁は船舶の大型化と貨物の増大に対応し、5万トン級 の大型船舶が利用可能で、大規模地震時でも物流機能を確保できる大水深耐震強化岸壁として整備された。岸 壁は延長300m、水深マイナス14mの1バースで、護岸は斜杭桟橋構造のもの。これにより、同港における耐震 強化岸壁は、5バース目となった。今後、大阪府により背後ヤード整備をはじめ、各種港湾施設の整備を実施 するとしている。 一方、大阪府高石市南高砂の堺泉北港・助松埠頭九号岸壁で開催された同ターミナルの供 用開始式典には、北側国土交通大臣をはじめ大阪府の梶本徳彦副知事、近畿地方整備局の藤本貴也局長ら地元 関係者も含め約120人が出席した。 最初に、主催者を代表して藤本局長が式辞に立ち、1996年から約120億円の事業費を投入して工事を進めてき た同ターミナルの役割を説明した後で、同ターミナルの完成により「今後も物流拠点として関西の元気をさら に高める施設となることを期待している」と式辞を述べた。引き続き、梶本副知事が「港湾物流の一層の強化 が図られることで大阪の経済の活性化にも貢献する」と祝辞を披露。続いて挨拶に立った北側大臣は「産業は ものづくりと物流の基盤整備が車の両輪。物流が効率化、簡素化されなければ、ものづくりそのものが空洞化 してしまう。産業の発展は物流の基盤整備があってこそのもの。完成したこの国際ターミナルが泉州、大阪地 域の物流拠点として一層進展し、関西経済の発展にも寄与するものと確信している」と期待を込めた。 式典ではこの後、来賓紹介や工事経過報告などに続き、北側大臣をはじめ佐藤信秋・国土交通事務次官、梶本 副知事、藤本局長、阪口伸六・高石市長らによるテープカットやくす玉開披とともに、地元保育園児による和 太鼓演奏などが行われ、同ターミナルの完成と供用開始を祝福した。