輝建設の小原公輝代表が講演 日本の古民家の価値を見つめ直し、現代に蘇らせようと古民家再生に取り組 む輝建設(株)の小原公輝代表取締役(一級建築士事務所)は18日、大阪市 立住まい情報センター(北区)で、「大阪でもできる古民家再生」をテーマ に講演した。歴史文化を次世代に伝えるひとつの目安でもある古民家が次々 と壊され消え去る中で、小原代表は「長い歳月に耐えてきた古民家を何とか 残し、活かしたい」と呼びかけた。講演では独自の視点で古民家のあり方を 説いた。
《日本の伝統的軸組構法は世界に誇れる技術》 身近なところにある木や土、石、竹、紙で造られている伝統的木造建築の古民家は日本瓦の傾斜屋根に土 壁、煙出し、駒つなぎ、格子、鬼瓦など歴史的な外観に昔ながらの間取りや設備、民具・建具が特徴。長い 年月の自然災害にも耐え抜いてきた建築構造だ。小原代表は「古民家に使われてきた日本の伝統的な軸組工 法は優れている。世界の建築の中で日本が誇れる技術だ」と強調した。 その一方で古民家には家族の歴史、地域とのつながり、暮らしの文化といった奥深さがある。こうした古民 家の持つ空間の価値を様々な角度から分析し、「昔ながらの民家は、現代の住まいづくりに生きている」と 説いた。小原代表はこれから古民家の再生を考えている人のために、施主の心構えとして「自分が家を建て るという気持ちを持つことが大切」といい、また、「われわれも施主とは費用対効果等を含めて徹底的に対 話を心掛けている」と話した。 講演の中で小原代表は、近畿県内の古民家で再生した三つの施工例を挙げ、建物のビフォー・アフターを紹 介。針中野の明治期和風建築、千早赤坂村の江戸後期茅葺棟、箕面の昭和初期住宅建築の再生で用いられ た、屋根の修復方法や自然エネルギーを活かすOMソーラーなど、資源循環型社会の再構築の一助となる技 術を説いた。終わりに小原代表は、民家のつくりに民具・建具の観察や土壁塗りなどの技術などを学ぶ「き んき民家塾」への参加を呼びかけた。詳細はNPO法人日本民家再生リサイクル協会(電話03−5216− 3541)まで。 なお、関西優良工務店の会に属する小原代表の講演は大阪市が主催するセミナーの一環で実現した。
【写真:講演する小原代表取締役】